フィリピン科学技術省(DOST)は10月21日、カラバルソンの地域科学・技術・イノベーション週間(RSTW)の一環として、「グリーン経済におけるソリューションの提供と機会の開拓」をテーマにしたグリーン経済に向けた持続可能な人工知能(AI)イノベーションに関するフォーラムをカルモナコミュニティセンターで開催したと発表した。
講演を行うテレンス・エイブラハム・アロムブロ(Terence Abraham Alombro)氏
(出典:DOST)
このフォーラムでは、PLDT&SMARTコミュニケーションズ(PLDT & SMART Communications Inc.)社のステークホルダーマネジメントスペシャリストであるテレンス・エイブラハム・アロムブロ(Terence Abraham Alombro)氏が中小企業(MSME)のための生成AIに関する講演を行った。
生成AIは、既存のデータから学習したパターンに基づいて、テキストや画像、音楽、動画などの新たなコンテンツを作成するAIである。アロムブロ氏は、生成AIをスーパーシェフに例えた。シェフがさまざまなレシピの知識と、味や技術を駆使して料理を作るように、生成AIはトレーニングデータ(テキスト、画像、写真、動画)を用いてデータ分析(パターン、スタイル)を行い、目的とするコンテンツや情報を生成する。
アロムブロ氏は、生成AIの実用例として、コーヒーショップのビジネス開発について説明を行った。紹介されたAIアプリケーションは、商号やスローガンを生成するChatGPT、ロゴをデザインするLooka、ソーシャルメディアのポスターを作成するCanvaであった。アロムブロ氏は、目的とする結果を得るためにはAIツールへの適切なプロンプトの出し方やAIツールのトレーニング方法を知ることが重要であると強調した。
他にもこのフォーラムでは、ビジネスにおけるAI利用に関するトレンドとベストプラクティス、グリーン経済の推進におけるAIの役割、持続可能なAIを採用するためのベストプラクティスとそのビジネスへの影響などに関する講演が行われた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部