2025年01月
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中小企業の新規食品事業を支えるDOSTの技術支援 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は、DOSTの技術を採用し、土産物店から栄養価の高い調理済み(RTE)食品事業の移行に成功したベストフレンド・グッディーズ(Bestfriend Goodies)社を紹介した。

カガヤン・デ・オロ市カニトアン地区で展示されたベストフレンド・グッディーズ社のサンプル製品
(出典:DOST)

カガヤン・デ・オロ市にある元土産物店のベストフレンド・グッディーズ社は、パンデミックをきっかけに栄養価の高いRTEパック食品事業に投資することで事業の移行に成功した。このRTEパックはDOST-食料・栄養研究所(DOST-FNRI)、DOST-産業技術開発研究所(ITDI)、南フィリピン科学技術大学ミンダナオ北部食品イノベーションセンター(USTP-NMFIC)、DOST-技術応用推進研究所(DOST-TAPI)のベンチャーファイナンスプログラムなど、多数の政府機関の協力により開発・支援が行われたものだ。事業の移行により、ベストフレンド・グッディーズ社の雇用は172%増加し、生産量は199%増加、生産性は142%上昇し、売上は約90%増加した。

このブランドは2014年に誕生し、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために、様々なパートナーシップを構築してきた。例えば、身近なコミュニティであるバランガイと呼ばれる住民集団に働きかけを行い、カガヤン・デ・オロ市のカニトアン地区では、人材を創出し、地元産の持続可能な原材料を調達する地域に根ざした企業が設立されるなどの成果を残している。また、州立大学やDOSTなどの機関と協力し、継続的な能力開発や、プロセス改善や技術導入のための研究開発支援を受けている。同社の主な顧客は、教育省や地方自治体、社会福祉開発省などの政府機関だという。

ベストフレンド・グッディーズ社は、カガヤン・デ・オロ市で2024年の科学・技術・イノベーション週間(NSTW)の開催を記念し企画された、DOSTの支援により成功した中小企業の1社として紹介された。

(2024年11月29日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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