農村振興を後押しする新たなデジタルツール
楊 雪(科技日報記者) 2025年11月12日
中国系の動画投稿アプリ「TikTok」を運営する字節跳動(バイトダンス)はこのほど、「2025字節跳動農業支援データ報告」を発表した。それによると、「抖音(中国版TikTok)」では、農村関連コンテンツの人気が続いており、過去1年間で前年比24.59%増となる13億6千万本の農村関連動画が新たに投稿された。また、1億3000万人のネットユーザーが抖音で農村生活を記録しており、「三農(農業・農村・農民)」に関するライブ配信が449万5000回行われ、都市と農村をつなぐ架け橋となった。
デジタル技術やデジタルツールはすでに農村振興の「新たな農具」となっている。報告によると、抖音ではこの1年間で新たに2143万本の農業技術動画が投稿され、再生回数は842億回に達した。抖音で活動するフォロワー1万人以上の農業技術系クリエイターは1万2800人を超え、養蜂や果樹剪定、ドローンによる薬剤散布、麦踏みといった農業技術に関する話題が農家の注目を集めている。
中国農業大学の武拉平教授は、「中国の農家は経営規模が小さく分散しているため、農業技術の普及と応用が制約されている。ショート動画やライブ配信といった現代の情報通信技術の発展は、この問題を解決するための重要な技術的サポートを提供している」との見方を示した。中国農業科学院農業経済研究所の孫東昇副所長も、「ショート動画やライブ配信は農業技術の普及における包摂性を高め、中小農家の需要を満たし、農業技術の導入効率を向上させている」と述べた。
また、「興味型EC」が特産農産物を村から出荷するための重要なルートになっている。報告によると、過去1年間、抖音ECでは年間で102億件の特産農産物が販売され、産地から発送された荷物は1日平均2448万個に達した。広東のライチ、菏沢のシャクヤク、蒙陰の蜜桃、民勤のメロンなどが抖音のライブ配信でトップクラスの人気商品となり、取引額は最大で419%増加した。
特産農産物は季節ごとの出荷や短期間での供給急増という特徴を持つ。興味型ECは、ライブ配信者を中心とした集約モデルを活用することで、短時間に大量の消費者の関心を集め、消費需要を高めることができる。農業農村部(省)農村経済研究センターの報告では、「興味型ECは、市場メカニズムを通じて特産農産物の繁忙期・閑散期の販売変動を緩和し、滞留在庫や買い叩きの状況を減らし、農家の収益を確実に保障している」としている。
リアルで美しい農村コンテンツは抖音で人気を集めている。報告によると、農村の美しい風景は2億7000万本の動画を通じて発信され、385万カ所の農村の景観が一般の人々の目に触れるようになった。抖音ライフサービスの年間農村団体購入注文数は1億件を超えた。抖音の「三農」クリエイター・エコシステムは繁栄を続けており、ショート動画やライブ配信は多くの新しい農業従事者にUターン就職の機会を創出している。現在、フォロワー1万人以上の「三農」クリエイターは9万5000人を超え、30歳以下のクリエイターは前年比45%増、50歳以上は107%増となった。地域分布では、雲南省出身の「三農」クリエイターが最も多く、河南省、広東省、山東省、四川省がこれに続いている。
※本稿は、科技日報「数字技术化身乡村振兴"新农具"」(2025年10月23日付)を科技日報の許諾を得て日本語訳/転載したものである。
