韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は8月29日、2026年の国家R&D計画に関する予算配分・調整計画が大統領科学技術諮問委員会(PACST)で承認され、過去最高の総額35.3兆ウォン規模で編成すると発表した。
2026年度の主要研究開発予算は、「技術主導型成長」と「包摂的成長」の二本柱で研究エコシステムの回復と産業競争力の強化を図る。主要研究開発事業に充てられるのは30.1兆ウォンで、予算配分・調整計画は政府の予算編成プロセスを経て、一般研究開発事業とともに国会に提出される。
技術主導型成長に関する予算では、AIに2.3兆ウォン(前年比+106.1%)を配分し、汎用人工知能(AGI)や省電力AI、AI半導体を含むフルスタック開発とインフラ整備を進める。エネルギーには2.6兆ウォン(+19.1%)を投じ、超高効率太陽電池や大規模風力、AIを活用したエネルギー管理システム、長時間エネルギー貯蔵、クリーン水素、小型モジュール炉(SMR)や二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)を推進する。戦略技術には8.5兆ウォン(+29.9%)で、量子・合成生物学、耐量子暗号、自動運転・ヒューマノイドなどの実装を加速する。防衛産業には3.9兆ウォン(+25.3%)、中小・スタートアップ企業には3.4兆ウォン(+39.3%)が配分された。
包摂的成長に関する予算では、基礎研究3.4兆ウォン(+14.6%)により個人研究件数を2023年水準へ回復し、若手3年、コア5年など期間延長で自律性と安定性を高める。人材育成には1.3兆ウォン(+35.0%)で産学連携や「Brain to Korea」による国際的研究者の誘致を強化する。政府出資研究機関には4兆ウォン(+17.1%)を配し、研究者がプロジェクト報酬を通じて給与を確保するプロジェクトベースシステム(PBS)の段階的廃止と機関補助化でミッション志向研究を促す。さらに地域成長1.1兆ウォン(+54.8%)、災害・安全2.4兆ウォン(+14.2%)を計上し、需要主導の地域R&DやAI・ドローン活用の危機対応力を高める。
MSITのペ・ギョンフン(Bae Kyunghoon)長官は「過去最高のR&D予算で研究エコシステムを完全に回復し、安定的かつ予測可能な投資で真の成長を実現します」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部