2026年09月
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欠陥ナノ構造で水滴形成・離脱促進、凝縮熱伝達最大5.5倍 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は8月23日、同院の研究者らが、超薄型ポリマー膜の厚さと構造を制御して水滴の形成と離脱を促し、凝縮熱伝達性能を高める技術を開発したと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

左から:ナム・ヨンソク(Youngsuk Nam)教授、キム・ジュンス(Jun Soo Kim)氏、イム・ソンガプ(Sung Gap Im)教授、カン・ミンジョン(Minjeong Kang)氏
(出典:KAIST)

凝縮は水蒸気が液体の水に変わる過程で、発電所で蒸気を水に戻すほか、海水淡水化や電子機器の放熱に広く使われる。通常の金属表面では、小さな水滴が合体して薄い水膜となり、熱抵抗を増して熱伝達を妨げる。一方、水滴が形成と離脱を繰り返す滴状凝縮では、新しい表面が継続的に露出して熱を効率よく伝えられる。しかし、表面を粗くすると水滴の核生成サイトは増えるものの構造に引っ掛かり、滑らかにすると離脱しやすい反面、核生成サイトが減るというトレードオフがあった。

KAIST機械工学科のナム・ヨンソク(Youngsuk Nam)教授と生命化学工学科のイム・ソンガプ(Sung Gap Im)教授の共同研究チームは、従来ポリマー膜の「欠陥」とみなされていたナノスケールのポリマー凝集体を活用した。開始剤支援化学蒸着法(iCVD)でポリマー膜を薄くすると、微小な凝集体が表面に高密度で形成され、水滴の核生成サイトとして働いた。薄い膜では厚い膜の約3倍の水滴が形成された。

さらに熱処理によって水滴を表面に保持する力を弱め、水滴が大きくなる前に離脱できるようにした。膜厚によって核生成を増やし、熱処理によって離脱を促すという、競合する二つの作用を個別に制御したことが今回の成果の要点である。

実際の凝縮器で一般的に使われる銅管をポリマー膜でコーティングしたところ、最大凝縮熱伝達係数は約88キロワット毎平方メートル毎ケルビン(kW・m-2・K-1)に達した。熱伝達性能は、水膜が生じる従来の銅表面の最大約5.5倍となり、従来の疎水性コーティング表面も50%以上上回った。

ナム教授は「従来は欠陥とみなされていたナノ構造を、水滴の形成を助ける要素として利用した点に意義があります」と述べた。この技術は複雑な形状にも極薄で均一な膜を形成でき、産業用熱交換器、海水淡水化・水回収装置、電子機器の冷却などへの応用が期待される。機械工学科のキム・ジュンス(Jun Soo Kim)氏と生命化学工学科のカン・ミンジョン(Minjeong Kang)氏が共同筆頭著者を務めた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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