2026年09月
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科学人材流出を受け国際競争力ある水準への投資増を訴え 豪科学アカデミー

オーストラリア科学アカデミー(Australian Academy of Science)は8月24日、国内の科学が研究資金不足や雇用不安、科学・技術・工学・数学(STEM)人材不足による深刻な危機に直面しているとして、政府、産業界、研究機関に科学システムの立て直しを求める記事を掲載した。

同アカデミーのサム・バーコビック(Sam Berkovic)会長は、オーストラリアが科学者への信頼度で世界第5位タイにあり、国民の10人中9人以上が科学的発見や画期的成果に関するニュースを積極的に探している一方、科学人材の流出はもはや単なるリスクではなく、現実に起きていると指摘した。同アカデミーの若手・中堅研究者フォーラムによる最近の調査では、若手・中堅研究者の約40%が、研究資金不足と雇用の不安定さを理由に学術界を離れることを検討している。

オーストラリアの研究開発投資は国内総生産(GDP)の1.69%にとどまり、経済協力開発機構(OECD)平均の2.72%を大きく下回る。また、STEM分野の卒業者数はOECD加盟44カ国中40位で、特に地球科学、材料科学、データ科学の人材が不足している。同会長は、科学への継続的な投資がなければ、今後の優先分野である人工知能(AI)、重要鉱物、先進製造業で成果を上げることはできず、それらを支える科学者なしに未来の産業を築くこともできないとした。

同アカデミーは、行動を求める国民の支持を結集する全国キャンペーン「リストア・サイエンス(Restore Science)」を開始する。アカデミーが委託し同日公表した独立調査によると、国民の多くは、連邦政府が実際より多くの資金を研究に投じていると思っていた。同等の国々と比べて科学への投資が少ないという実態を知った後では、回答者の65%が、政府は研究資金を国際競争力のある水準まで増額すべきだと答えた。同会長は、科学者の成果を称賛しながら長年の科学への過少投資を無視することはできないとして、政府、産業界、研究機関の協力を訴えた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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