台湾の中央大学(NCU)は2月23日、国際研究チームと共同で、超高輝度超新星「SN 2025wny」(愛称SN Winny)を観測し、銀河規模の強力な重力レンズ効果を受けた超新星系であることを確認したと発表した。
重力レンズ効果では、前景銀河の重力によって背景天体の光が曲げられ、同じ天体が複数の像として観測されることがある。このような重力レンズ効果を伴う系は非常にまれで、宇宙論研究に利用できる観測対象とされている。
今回の研究では、NCU天文学研究所のチェン・ティンワン(Ting-Wan Chen)助教授の研究チームが、ドイツのミュンヘン工科大学やマックス・プランク天体物理学研究所などの研究グループと共同で、SN 2025wnyの撮像観測と分光研究を実施し、銀河規模の強い重力レンズ効果を受けた超新星系であることを確認した。
観測では、台湾の鹿林天文台に設置された鹿林1メートル望遠鏡(LOT)を使用し、2025年9月29日の観測画像によって同天体を確認した。その後も測光観測によるモニタリングが続けられている。
さらに、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFHT)のrバンド画像の解析では、ポスドク研究員のアマール・アーリアン(Amar Aryan)博士が既に報告されていた複数の像の近くに新たな突発的点源を確認し、5番目のレンズ像の可能性があるとして報告した。
また、レオン・エッカー(Leon Ecker)氏とアラン・シュヴァインフルト(Allan Schweinfurth)氏らは、5つの像の位置を基にレンズ銀河の質量分布の最初のモデルを構築した。データ処理では、大学院生リー・ユーシン(Yu-Hsing Lee)氏が開発したツール「DETECT」が、新たに発見された突発天体とダークエネルギー分光装置(DESI)の銀河データとのクロスマッチングによって、この明るい突発現象を独立に検出したとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部