研究機関・大学を結集し、統合型イノベーションエコシステムを構築 台湾ITRI

台湾の工業技術研究院(ITRI)は3月3日、中長期の技術戦略とロードマップを公表し、台湾南部の17研究機関、33大学を結集して、人工知能(AI)、ロボット、無人システムなどの重点分野で統合型のイノベーションエコシステムを構築すると発表した。

(出典:ITRI)

今回の発表は、共同イノベーションと国際連携を中核に据えたものだ。生成AIの進展や地政学的競争によるサプライチェーン再編を踏まえ、今後20年の技術リーダーシップ確保を見据える。台湾の半導体分野の強みを生かしつつ、重要技術の開発を進め、国際協力を深める方針である。重点項目として、台湾と米国の無人航空機サプライチェーン協力の強化、米国以外で初めてグリーンUAS認証をサポートするパートナーとしての台湾の地位確立、希土類技術の産業化加速によるサプライチェーンの強靱化を挙げた。

ロードマップは、国家の重点政策に沿ってAIロボットやドローンなどの分野を横断的に統合する。システムエンジニアリングのアプローチを取り入れ、利用場面や応用環境を想定した上で、必要な性能要件やソリューションの仕様を定め、対応する技術開発のロードマップを示す。さらに部品表やコストの想定も盛り込み、研究開発成果を実際の産業応用や市場機会へ結び付けやすくした。

ITRIは人材連携も重視している。17研究機関を結ぶイノベーションアライアンスでは、研究開発サービスと共有資源を統合し、台湾全土の中小企業を支援する。33大学との連携では、人材育成、共同研究、実証の場づくりを進める。加えて、他の非営利研究機関と協力し、台湾の15万社の中小企業によるAIとデジタル技術の導入を後押しし、産業競争力の向上を目指す。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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