台湾の国家発展委員会は4月2日、各省庁が連携して進める「AI新十大建設」の2026年第1四半期の進捗を公表した。政府のAI化、産業のAI化、生活のAI化を軸に、AI活用の拡大を進める。
「AI新十大建設」は、生活・産業分野でのAI活用を柱とする「スマート応用」3項目、シリコンフォトニクス、量子、スマートロボットを柱とする「中核技術」3項目、さらに計算基盤、データガバナンス、人材・資金、地域基盤整備から成る「デジタル基盤」4項目の計10項目で構成される。国家発展委員会が国家科学及技術委員会や経済部、デジタル発展部などと共同で策定した政策枠組みで、2025年7月に草案が示され、2026年1月に行政院が承認した。
今回公表された第1四半期の進捗では、「政府のAI化」「産業のAI化」「生活のAI化」の3方向で具体策が動き始めた。政府のAI化では、行政サービス高度化を促すため、政府サービス賞に初めて「人工知能応用特別賞」を新設した。産業のAI化では、半導体設備や材料分野への海外投資を呼び込み、AI向け基盤整備を進める。生活のAI化では、南部・沙崙で3月28日に「AIイノベーション応用ビル」が稼働し、医療、交通、都市運営などの実証環境を整えた。
台湾政府は、この構想を単なる技術開発計画ではなく、計算能力、データ、実証環境、人材育成、ガバナンスを含む総合政策と位置付けている。行政のAI活用、半導体を軸とする産業競争力の強化、地域社会へのAI導入を並行して進めることで、台湾のAI競争力向上を目指す。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部