台湾の工業技術研究院(ITRI)は4月14日、超大規模集積回路(VLSI)の技術・システム・利用国際シンポジウム(VLSI-Technology, Systems and Applications:VLSI-TSA)を新竹市で4月13~17日に開催していると発表した。

2026年VLSI-TSAには、業界のリーダーや学術専門家が集まり、半導体技術に関する最新の知見が交換される
(出典:ITRI)
43回目となる今年は、世界各国から800人超の専門家が参加し、生成AIの推論高速化、ウエハースケールコンピューティング、テラヘルツ(THz)無線通信などを取り上げる。2026年VLSI-TSA大会委員長でITRI電子・光電子システム研究所のシーチエ・チャン(Shih-Chieh Chang)所長は、今年の会議では先端プロセス技術や異種統合、AIおよび量子アーキテクチャ、次世代メモリ、先端パッケージングが議論の柱となり、これらがAIチップ性能向上と半導体イノベーションの鍵になると説明した。
会議はAIと医療の接点にある応用を詳細に検討する議論から始まり、台湾の陽明交通大学と台北栄民総医院のシアン・チェン(Shih-Ann Chen)教授は、心拍リズムの複雑さは体表心電図(ECG)だけでは十分に捉えられず、電気生理学的検査で得られる心腔内信号データを用いることで、AIモデルの予測精度と臨床診断の向上が可能になると示した。
このほか、マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)社のフェローであるアレッサンドロ・カルデローニ(Alessandro Calderoni)氏は、高帯域幅メモリの実現に向けて3次元統合と異種パッケージングの重要性を指摘した。広島大学の藤島実教授は300GHz帯広帯域と電子制御式フェーズドアレイを活用した中距離高速モバイル通信の可能性を示し、SEEQC社の最高技術責任者(CTO)であるハン・シュージェン(Shu-Jen Han)氏は、量子誤り訂正とスケーラブルな設計に基づく実用規模の量子システムへの道筋を示した。
開会式では台湾のハイテク産業への貢献を表彰する「ERSO Award」が授与され、スカイテック(Skytech)社のジョージ・イー(George Yi)CTO、大亜電線(Ta Ya Electric Wire & Cable)社のシェン・シャンフン(Shang-Hung Shen)会長、プレイナイトライド(PlayNitride)社のチャールズ・リー(Charles Lee)会長兼CEOが選ばれた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部