NVIDIAモデル活用し量子プロセッサ向けAI自動キャリブレーション技術開発 台湾

台湾の中央研究院(Academia Sinica)は4月17日、エヌビディア(NVIDIA)社と連携し、人工知能(AI)モデル群「NVIDIA Ising」を活用し、超伝導量子プロセッサ(QPU)向けのAI駆動型自動キャリブレーション技術を開発したと発表した。従来の手動調整に依存したキャリブレーション手法の限界を克服し、大規模量子チップ開発の基盤を構築する。

従来のQPUキャリブレーションは人間の経験と手作業による反復調整に頼っており、効率が低く大規模システムへの拡張が困難だった。今回の技術は、こうした従来手法の限界を克服し、大規模量子チップ開発の基盤を構築するものとなる。NVIDIA Isingは量子コンピューティング応用に特化したオープンソースのモデル群・学習ツール・フレームワークで、実験データから直接キャリブレーション操作を推論する。中央研究院はこの技術を活用し、量子コンピューティングとグラフィックス処理装置(GPU)を統合することで、QPUの製造・テストプロセスを加速させる。

中央研究院量子コンピューティングテーマセンターのチードン・チェン(Chii-Dong Chen)エグゼクティブオフィサーによると、NVIDIA Isingは同院の量子コンピューティングプラットフォームに統合済みだという。自動化されたマルチエージェント協調アーキテクチャーにより、「実行・計測・調整」のサイクルを繰り返す閉ループ型パラメーター最適化を実現する。自然言語による1つのコマンドで、5量子ビットと4カプラーを含む量子チップのリードアウトキャリブレーションを完了し、実験ワークフローを自動生成する機能を持ち、同センターが開発した20量子ビットチップへの応用も見込まれる。

2025年ノーベル賞受賞者のジョン・マルティニス(John Martinis)氏が指摘するように、台湾は先進的な半導体製造能力を背景に、グローバルな量子技術開発において重要な優位性を持つ。中央研究院はエヌビディア社との協力を通じて、信頼性・効率性・拡張性に優れた量子テストインフラを構築し、国内の学術・産業コミュニティに提供する方針だ。

中央研究院のジェームス・C・リャオ(James C. Liao)院長は、「この技術の採用により、現在のハードウェア性能と実用的な量子アプリケーションとのギャップを効果的に縮めることができます」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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