台湾の陽明交通大学(NYCU)は4月20日、NYCUがん・免疫研究センターと国立衛生研究院(NHRI)分子・ゲノム医学研究所が「台湾・米国国際合同シンポジウム/NHRI創立30周年記念シリーズ:ビッグデータとがん」を4月10日にNYCU陽明キャンパスで開催したと発表した。

(出典:NYCU)
同シンポジウムにはNYCU、NHRI、カリフォルニア大学アーバイン校(UC Irvine)の専門家が参加し、精密医療、免疫療法、ビッグデータ解析について議論した。NYCUがん・免疫研究センターとUC Irvineの学術的連携は、2024年末にUC Irvineのシン・ダイ(Xing Dai)教授がNYCUで講演したことに始まる。2025年には同センター長のムー・ファ・ヤン(Muh-Hwa Yang)上級副学長もUC Irvineで講演し、以後、がん生物学と精密医療で研究協力が進んでいる。
NHRI創立30周年に合わせて開かれた今回の会合では、UC Irvineのジャンファ・ユー(Jianhua Yu)教授が自然免疫細胞療法とヘルペスウイルスを用いた腫瘍溶解性ウイルス療法の進展を紹介した。NYCUのニエンジュン・チェン(Nien-Jung Chen)教授は、カルネキシンとTREM1の相互作用が腫瘍抗原提示を高め、抗腫瘍T細胞活性化を促す仕組みを論じた。NHRIのミンズー・チャン(Mingzi Zhang)副研究員は、データ駆動型創薬でのケモプロテオミクスの応用可能性を示した。
腫瘍微小環境と治療戦略を扱うセッションでは、UC Irvineのスコット・アトウッド(Scott Atwood)教授が基底細胞がんの腫瘍認識と退縮を支える動的制御機構を分析した。NYCUのスーティン・チェン(Szu-Ting Chen)准教授は、新規非TLRパターン認識受容体がCD8陽性T細胞活性化に影響する研究を説明した。
ビッグデータのセッションでは、UC Irvineのアーサー・D・ランダー(Arthur D. Lander)教授が、がん研究におけるビッグデータの可能性と限界を論じた。NHRIのヤーシュアン・チャン(Ya-Hsuan Chang)助理研究員は精密腫瘍学レポート、空間解析、疾患感受性を統合した発見を示した。NYCUのチュンユー・リン(Chun-Yu Lin)准教授は、オミクスデータを使った精密医療戦略を紹介した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部