中国が主催する「人工知能(AI)に関するハイレベルフォーラム」が7月24日、中国四川省成都市で開催され、参加したAPEC加盟エコノミーは「アジア太平洋地域におけるAI開発の促進に関する声明」を発表した。
フォーラムは「善とすべての人のためのAI開発の促進」をテーマとし、閣僚、高官、企業幹部、研究者、国際機関の代表が、安全で責任あるAIをアジア太平洋地域でどのように推進するかを議論した。
声明は、「AIの安全な開発・導入」「AIアプリケーションの責任ある導入」「AIイノベーションを可能にする環境整備」「APEC全体の参加と恩恵を最大化する幅広い協力」の4分野で協力を促した。加盟エコノミーは、「APECプトラジャヤ・ビジョン2040」「APECインターネット・デジタル経済ロードマップ(AIDER)」「APEC AIイニシアチブ(2026~2030年)」をさらに実施し、AIに関する交流深化、共通認識の形成、協力構築、イノベーション促進に取り組む決意を再確認した。
安全な開発・導入では、信頼性が高く、利用しやすく、拡張可能で、信頼され、安全かつ強靱なAIインフラの開発促進と、デジタルインフラへのアクセス向上に関する優良事例の共有を奨励した。消費者と企業の信頼を強化しつつ、AI開発に不可欠な国境を越えるデータ流通の円滑化にも取り組む。責任ある導入では、AIリテラシーと技能の向上に向け、社会のあらゆる層が利用できる教育・訓練資源の提供を促すほか、貿易円滑化や税関手続きの近代化、企業競争力の向上においてAIの役割が拡大していることも認識した。
イノベーション環境の整備では、市場志向かつイノベーション主導のアプローチを促す政策を評価し、リスクに対処して責任あるAI導入を促す政策の検討を奨励した。安全性、データ保護、知的財産権を尊重しつつ、開発・導入を通じて強固な安全性保証を確保するオープンソースのモデルやプロジェクトへの支援も促した。
幅広い協力では、官民を含む開かれた対話と協働による能力構築や知識共有を歓迎し、全加盟エコノミーがAI主導型経済に参加し、人々がAIの恩恵を最大限得られるよう支援を続けるとした。APECは、デジタル経済運営グループ(DESG)などの分科会が域内のAI協力強化に重要な役割を担うとし、DESG総会でAIに関する政策対話を開催する方針を示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部