きょうだい・仲間関係が幼児の社会性発達に与える影響を解明 台湾師範大学

台湾師範大学(NTNU)は7月28日、同大学の研究者らが台湾の縦断データベース「Kids in Taiwan(KIT)」を用いて、きょうだい・仲間関係が幼児期の社会性発達に与える影響を明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Bulletin of Educational Psychologyに掲載された。

きょうだい・仲間ともに子どもの自立性や自己主張、社交性の発達を促すが、きょうだいのいない一人っ子にとっては仲間関係が特に重要な役割を果たすという。

KITは2014年に始動し、2016年から全国調査を開始した、中華圏で初の全国代表性を持つ幼児発達の縦断データベースである。研究では36カ月時点できょうだいがいた子どもと60カ月時点でも一人っ子だった子どもの計1590人を対象に、Mplusによる潜在成長モデル分析を用いて、「自立性」「自己主張」「社交性」「従順性」という社会的能力の4側面が3~5歳でどう発達するかを分析した。

分析の結果、一人っ子は4側面すべてで初期水準が高い一方、きょうだいのいる子どもは時間とともに発達速度が速くなることがわかった。仲間関係の影響は年齢が上がるにつれて徐々に弱まるものの、一人っ子への正の効果はきょうだいのいる子どもより一貫して大きかった。きょうだい・仲間関係の両方を持つ子どもが最も高い社会的能力を示すこともわかった。一人っ子の場合、仲間関係は「自立性」「自己主張」「社交性」の向上とは関連したが、「従順性」には有意な効果がないどころか、負の傾向も見られた。

NTNU児童・家庭学科のシュウマン・ホアン(Shu-Man Huang)助教授は、きょうだいも仲間も子どもの社会的能力を育むが、きょうだいのいない一人っ子にとって、仲間はほぼ同様の機能を果たしうると説明し、一人っ子はより早い就学によって仲間関係の恩恵を早期に得られると提言した。同学科のリートゥアン・チョウ(Li-Tuan Chou)准教授は、「子どもが頼りにする能力の多くは幼少期に形成されます」と述べ、KITデータベースが小学5・6年生までのデータを蓄積しつつある現在、就学後の社会性発達の変化についても今後の重要な研究課題になるとの考えを示した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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