「エコシステム大学」構想で台日半導体連携深化へ 台湾・陽明交通大学

台湾の陽明交通大学(NYCU)は8月5日、3日に台北市内で開かれた「2026年台日半導体技術フォーラム」で、大学が国境を越えた半導体連携の中立的で長期的なハブとなる「エコシステム大学」構想を提唱したと発表した。

台湾と日本の政府、産業界、学術界の代表者が、8月3日に台北で開催された2026年台湾・日本半導体技術フォーラムに集まり、AI時代における国境を越えた協力について議論した。(写真提供:行政院)
(出典:NYCU)

フォーラムは「人工知能(AI)時代における半導体協力の国際的機会」をテーマに、台湾と日本の産官学関係者が集まり、先端パッケージングやヘテロジニアス統合、人材育成、サプライチェーンの強靭性を議論した。NYCUのチーホン・リン(Chi-Hung Lin)学長が代表団を率いて出席し、同大学半導体国際協力室のツェン・ユアンチェー(Yuan-Chieh Tseng)最高戦略責任者が構想を発表した。

ツェン氏は、AIの急速な発展や産業の専門分化、地政学的リスクの高まりが大学の役割を変えつつあると指摘。大学は教育・研究・技術移転にとどまらず、政府や企業、研究機関、海外パートナーをつなぐ調整プラットフォームとして機能しうると述べた。

「エコシステム大学」構想は教育・研究・産業・地域の資源を結集するものだ。中立性と長期性を備えた大学は、機関間の障壁を下げ、共同人材育成や共同研究、設備の共用、産学連携を支援できる。半導体分野では、材料・装置から設計・製造・パッケージング、システム応用、人材育成までのパートナーをつなぐ大学主導のプラットフォームを構想しており、単発イベントや個別プロジェクトを超えた持続的な国際イノベーションネットワークの構築を目指す。

フォーラムには行政院のジョンタイ・チョー(Jung-Tai Cho)院長や経済部のミンシン・クン(Ming-hsin Kung)大臣、台湾日本関係協会のシェ・チャンティン(Chang-ting Hsieh)会長らが出席。日本側からは中部・九州経済連合会が参加し、議論は企業間にとどまらず地域産業クラスター間の連携へと広がった。台湾が設計から受託製造、組立・検査、AIハードウェアまで包括的なエコシステムを持つ一方、日本は材料や製造装置、精密製造、基礎研究に強く、両者の補完的な強みをどう結び付けるかがフォーラムの焦点となった。

NYCUは台日半導体技術促進協会の創設メンバーで副会長を務めており、今後は日本の産業クラスターや大学、研究機関との協力を深めていく方針だ。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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