ウクライナ青少年にAI・半導体教育、現地教員も育成 台湾・陽明交通大学

台湾の陽明交通大学(NYCU)は8月20日、台湾国際協力開発基金(TaiwanICDF)、テール・デ・ゾム(Tdh)ウクライナ、台湾積体電路製造(TSMC)と共同で同月10~12日にウクライナ西部で教育サマーキャンプを開催し、紛争の影響を受けた地域の青少年に人工知能(AI)と半導体技術を紹介したと発表した。

TaiwanICDFはテール・デ・ゾム(Tdh)、NYCU、TSMCと連携し、ウクライナで「PLAY CHIP Summer Camp: Belight AI Semiconductor」を開催し、ウクライナの子供や青少年にAIとチップ技術を実際に体験しながら学ぶ機会を提供した。
(出典:NYCU)

カームヤネツィ=ポジーリシクィイで開かれた「PLAY CHIP Summer Camp: Belight AI Semiconductor」では、実践活動と分かりやすい科学教育を組み合わせた。TaiwanICDFは、台湾の半導体技術の知見と人道支援への取組を結び付け、ウクライナの子供や青少年にAIとチップ技術を学ぶ貴重な機会を提供したと説明した。Tdhは、安全な対面学習環境に技術教育とメンタルヘルスおよび心理社会的支援(MHPSS)を組み合わせ、参加者がデジタル技能を身に付けながら、安心感と将来への希望を徐々に取り戻したとした。

中核となったのは、現地教育者を育成する「指導者養成」モデルだ。NYCUのウクライナ人学生アンナ・コンパン(Anna Kompan)氏とポリーナ・シビルツェワ(Polina Sybirtseva)氏が事前に台湾で指導者研修を修了し、同大開発の学習プラットフォームと双方向型モーションセンサー機器「Rabboni」の教材を翻訳し、現地向けに調整した。初日には2人が現地教員10人を研修し、それぞれの地域で教育を継続できるようにした。

続く2日間は、11歳以上のウクライナ人学生21人が、チップ製造工程、トランジスタの動作原理、Scratchプログラミング、分野横断型のSTEM応用、Rabboniセンサーを使った双方向型ゲームの開発などを学び、チームで実践課題に取り組んだ。最終日には各グループが開発したデジタル作品を発表した。

NYCUは、現地教育者の養成と現地での指導を通じ、専門知識を青少年が利用しやすい学習体験へ転換したとしている。このモデルは持続可能で規模を拡大できるよう設計されており、3日間のキャンプ後も効果を継続できる。今後も国内外の協力機関との連携と技術教育資源の共有を進め、技術的専門知識、国際的視野、社会的責任への意識を備えた人材を育成する方針だ。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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