インド科学技術省の発表(2021年3月21日付)によると、米国とインド両国でU.S. India Artificial Intelligence (USIAI)が立ち上がり、両国の人工知能(AI)分野の科学者によるパネルディスカッションが行われた。
その中で、農業、エネルギー、気候変動、スマートシティ、AIを取り巻くセキュリティとプライバシー、AIツールとテクノロジーが経済をどのように変革できるか等について議論された。また、がん診断のための深層学習アルゴリズム、新しい材料を発見するための機械学習の適用、高度な3Dプリンターの使用製造、認知能力と意思決定能力を備えたインテリジェントシステム等についても話し合われた。
インド科学技術省 科学工学研究委員会(SERB)のサンディープ・ヴァーマ(Sandeep Verma)教授はUSIAIについて「インドと米国の二国間AI 研究開発協力の機会、課題、障壁について話し合うためのプラットフォームとして機能し、AIイノベーションを可能にし、AI労働力を開発するためのアイデアを共有し、パートナーシップを促進するためのメカニズムを作る。両国が研究の相乗効果を発揮してさまざまな可能性を探求する絶好の機会になります」と表明した。
USIAIのパネルディスカッションのメンバー
インド政府のシンクタンク、NITIAayogのディレクターであるラマ-ナン(R.Ramanan)氏は、人口ボーナスはインドにとって最大の利点の1つであるとして「約1億5000万人の学生が5〜10年で就職する予定であり、我々の目標は、この労働力の間にイノベーションの文化を推進し、創造することです」と述べた。
米国エネルギー省のアジア・米州次官補代理のエリザベス・アーバナス(Elizabeth Urbanas)氏は 「このプラットフォームを活用してグリッドの近代化と強化、信頼性の高いエネルギー供給のための再生可能エネルギーのグリッド統合の強化、スマートで革新的で効率的な建物の促進等、インドにおける既存の二国間エネルギーパートナーシップを強化できます。いくつかの分野でIUSSTFプログラムでの協力を想定しています」と話した。
インド-米国科学技術フォーラム(IUSSTF)は、インド政府と米国政府の間の合意に基づいて2000年に設立され、インド-米国科学技術フォーラム(2000年)と、米国-インド科学技術基金(2009年)の2つの二国間協定を通じて運営されている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部