2021年06月
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「AI- for-India」の受講者11.2万人でギネス記録を樹立-大学発スタートアップ企業が主催

インド工科大学(IIT)マドラス校でインキュベートされたスタートアップ企業の「GUVI」と全インド技術教育評議会(AICTE)がPythonプログラミング言語のスキルアップを目的とした「AI-for-India」を4月24〜25日に開催し、112,314人が参加し世界ギネス記録を塗り替えた。この記録は「24時間でプログラミングレッスンを受けた受講者数」というカテゴリーで、従来の記録を50倍上回った。さらに、143,000人ものユーザーが同じイベント中に「顔認識アプリ」を構築するためのオンライントレーニングに参加した。

このプログラムはGUVI がAICTEのほか、IITマドラスリサーチパーク、ヘルスケア収益サイクル自動化プラットフォームのBUDDI.AIと連携して実施された。学生、IT技術者やコーディングに関心のある8〜80歳の年齢層のすべての人を対象とした。

ギネス世界記録の公式審査員は、2021年4月30日に開催されたオンラインイベントで証明書を渡した。「AI-For-India」には学生、大卒者、求職者、経験豊富なIT専門家、非ITの専門家など社会のさまざまな分野から参加があった。

このオンラインイベントについて、AICTEのメンバーセクレタリーであるラジブ・クマール(Rajive Kumar)教授は、「これはAICTEが過去1年間に関与した2つ目の世界記録であり、AICTEは引き続きGUVIのようなスタートアップと協力していく」と述べた。

AICTE会長のアニル・D・サハスラブッディ(Anil D Sahasrabudhe)教授は次のように話した。

「インドには米国の人口に匹敵する3億人の生徒・学生がおり、すでにCBSE(後期中等教育中央審議会)では、学校のカリキュラムにAIを導入している。また、Atal Innovation Missionという国家政策の下で10,000の学校がTinkeringLabs (学生に科学的な気質、革新、創造性の環境を提供するための中央政府の政策)を受けている。イノベーション、起業家精神、学習のためのエコシステムはすでに存在しており、その高度化はアクセラレーターを介して行われる必要がある。AIには、車両の駐車から製造工程、農業や自動車産業などに関連した多くのアプリケーションが存在し、『意思決定』のような分野にも大きな可能性がある。また、データ分析は『意思決定』において大きな役割を果たす」

インド政府は、Maki in Indiaという雇用創出のための製造業育成の政策を強力に進めている。また同時に、Digital IndiaというICT・デジタル化政策も掲げている。インドの生徒、学生の間では、ICT、AI、ロボティクスなどへの関心が非常に高く、優秀なエンジニアや起業家を多数輩出している。理系離れが進むといわれている日本としては、この分野においてインドとの連携が不可避と見られている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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