e-モビリティをテーマにした「BRICSネットワーク大学」のオンライン会議が6月16日、インド工科大学(IIT)ボンベイ校で開催された。3日間の日程のこの会議は今年の第13回BRICS(新興5カ国)サミットの議長を務めるインドが教育分野で主催する取り組みの一つである。
会議では、BRICSを構成するブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの18人の専門家が、交通管理、水素技術、ハイブリッド車、リチウムイオン電池、e-モビリティと生活など、電気自動車のさまざまな側面について討議した。5つの加盟国の大学から100人以上の学生、研究者、および教職員が会議に参加した。
インドのニティン・ガドカリ(Nitin Gadkari)道路交通・高速道路相兼中小零細企業相はインドの運輸部門について、「トラックから電気自転車に至るまで、あらゆる種類の車両でのバイオ燃料の使用の増加に伴い急速に変化している」と前置きし、「インドは低コストのバッテリー技術に関して多くの進歩を遂げた」と成果を強調した。
この変革は環境の持続可能性と健康に役立つだけでなく、国の新しい経済を切り開いている。ガドカリ氏は、e-モビリティにさらに革命を起こすことができる革新的な技術の研究に取り組むようにインド国内のIIT各校に呼びかける一方、BRICS諸国に対してはこの分野において各国のより大きな研究協力を求めた。
インドのアミット・カレ(Amit Khare)高等教育長官は、今後開催されるBRICS 理事会やBRICS教育大臣会合等を通じて、BRICS諸国の相互作用が、持続可能性と包括的成長の共通の追求において各加盟国に利益をもたらす有用な知識体系の形成につながることへの期待を表明した。
「BRICSネットワーク大学」は、BRICS加盟5カ国の高等教育機関の連合体であり、さまざまな教育協力、特に研究とイノベーションの分野での教育協力を強化することを目的として設立された。そしてIITボンベイ校は「BRICSネットワーク大学」のインドの主要機関である。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部