インド地球科学省(MoES)は、アイスランドと日本が共催し、日本が実質的に主催した第3回北極圏科学大臣会合(3rd Arctic Science Ministerial:ASM3)に参加し、北極圏における研究と協力について議論したと公表した。
インド連邦政府の科学技術・地球科学相のジテンドラ・シン(Jitendra Singh)博士は7月30日の下院(Lok Sabha)への答弁書の中で明らかにした。それによると、同会合には、ハルシュ・バルダン(Harsh Vardhan)科学技術・地球科学相(当時)がインドチームを率いて、地球科学省の長官、国立極地海洋研究センター(National Centre for Polar and Ocean Research:NCPOR)の科学者ら参加した。
インド地球科学省によると、インドは、ISRO(インド宇宙研究機関)と米航空宇宙局(NASA)の共同ミッションでNISER(NASA-ISRO Synthetic Aperture Radar:NASA-ISRO合成開口レーダー)衛星の打ち上げを計画している。先進的なレーダー画像を用いて地表の変化を全世界的に測定することを目的とし、NISERは2023年初頭に打ち上げられる予定である。NISARはISROとNASAの共同地球観測ミッションで、極地の雪氷圏やインド洋地域を含む全ての陸地を対象とした全球観測を行う。
NISARはデュアルバンド(LバンドとSバンド)のレーダーイメージングミッションで、フル・ポラリメトリック(偏光測定)とインター・フェロメトリック(干渉測定)のモードでの運用ができ、土地、植生、雪氷圏のわずかな変化を観測が可能となる。このミッションの主な科学的な目的は、気候変動が地球の変化する生態系、土地と沿岸のプロセス、土地の変形、雪氷圏に与える影響についての理解を深めることである。米国とインドの分担は以下の通り。
日本の文部科学省(MEXT)のHPによると、この第3回北極圏科学大臣会合は2021年5月8~9日にアジア初となる東京で開催された。これまでで最多となる、35の国と団体が参画した。緊急事態宣言下での開催となったため、各国大臣はオンラインで参加した。これまで、2016年9月に米国・ワシントンDCで第1回会合が、2018年10月にドイツ・ベルリンで第2回会合がそれぞれ開催された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部