星の誕生から死ぬまでについて天の川の観測データから新しい知見を得たことをインドの研究者らによる国際研究チームが明らかにした。科学誌nature India が7月27日に発表。3報の論文が天文学を扱う学術誌Astronomy & Astrophysicsなどに掲載された。
研究チームは、科学者のニルパム・ロイ(Nirupam Roy)氏とジャガディープ・D・パンディアン(Jagadheep D. Pandian)氏らで構成。チームは電波望遠鏡で天の川を広範囲にわたって調査した。その結果、これまでに見られなかった特徴を突き止め、新しい超新星残骸(SNR)の検出に成功した。
超新星残骸は、巨大な星の爆発的な死から生まれ、星間物質、星間のガスや塵の星形成領域を加熱することにより、星形成プロセスに寄与することで知られ、銀河系の星形成に寄与する構造である。無数の星の誕生、さらには岩石の惑星を持つ太陽系の誕生を後押ししたと考えられている。
米国とドイツにある2つの強力な電波望遠鏡を使用。天の川のスキャンプロジェクトであるGLOSTAR(天の川の星形成に関するグローバルビュー)の調査により、以前発見されたSNRを再分類し、シグナスX2と呼ばれる近くの大きな星形成領域でメタノール分子からの電波放射を捕捉。そして巨大な若い星の存在を示すイオン化された水素の密なポケットを検出した。
研究者らによると、望遠鏡は星形成領域からの広範囲の無線信号を拾い上げ、天の川の星形成の全体像を得ることに一歩近づいたとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部