2021年09月
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コロナ制圧へ、ゲノム情報をプラットフォームGISAIDに迅速提出を インドの研究者

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの制圧には、陽性例のウイルス株のゲノム配列を決定するだけでなく、配列決定されたゲノム情報をオープンアクセスプラットフォームであるGISAID(Global Initiative on Sharing All Influenza Data)に迅速提出することが必要だとインドの研究者らは訴えている。

科学誌 nature india(8月17日付)によると、このように述べたのは、インドのバイオインフォマティクス・応用バイオテクノロジー研究所(IBAB)の研究者らで、それによると、世界中の研究者がGISAIDデータを用いることによって、進化した変異株と疫学・生物学的影響を追跡することができ、適切で効果的な公衆衛生政策のための重要な情報を提供することができるという。実際に、このプラットフォームを用いて、いくつかの新しい変異株が初めて同定されたとしている。

一方で課題もある。各国の研究者からGISAIDに提出された170万株のCOVID-19のデータ(2021年5月27日時点)が統計的に分析された結果、1株あたりの収集から共有までのタイムラグは、1日から1年以上に及ぶことが示唆された。

インドを含むタイムラグが長い国では、迅速な追跡調査や感染阻止のための行動が行われなければ、新たな変異株が地域全体に定着するのに十分な時間を与えてしまう可能性がある。サンプル収集のための強力なシステムがないこと、資金が不足していること、新しいシーケンス技術を使用する試薬や機器の輸入が制限されていることも、ゲノムデータ共有の遅れに拍車をかけている。

研究チームの代表であるゴラブ・シャルマ (Gaurav Sharma) 氏は「国ごとにどのような問題が起きているのかは分からないが、配列決定や共有の遅れは明確に発生しているので、これらの障害を取り除くことが重要だ」としている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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