インドのジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術・地球科学相は、科学産業研究評議会(Council of Scientific & Industrial Research:CSIR)と国立地球物理学研究所(National Geophysical Research Institute:NGRI)が共同で、インド北西部の乾燥地域で高解像度帯水層マッピング・管理を実施したことを明らかにした。8月30日に発表した。
インド北西部のラジャスタン州、グジャラート州、ハリヤナ州、パンジャブ州の一部に広がる乾燥地域は、インドの総面積の約12%を占め、8,000万人以上が暮らしている。年間降水量が100~400ミリメートル程度のこの地域は、年間を通じて深刻な水不足に直面しており、地下水資源の活用増強が喫緊の課題となっている。
CSIRでの発表風景。中央奥右側がジテンドラ・シン大臣
このヘリコプターを利用した地球物理マッピング技術により、地下500メートルの深さまでの高解像度3D画像が得られる。この技術は費用対効果が高く、正確、かつ短期間で広大な地域の地図を作成可能で、インドの乾燥地域における広大な地下水資源の地図を作成するために有効である。15万平方キロメートル以上の面積を対象とし、14.1億ルピーの費用をかけた作業は、2025年までに完了する予定である。このプロジェクトの最終的な目的は、地下水の取水と保全のための潜在的な場所をマッピングすることであり、その結果は、帯水層のマッピング、乾燥地域における地下水資源の再生と管理という広範な目的を達成するために活用される。
シン大臣は「最新技術を活用して乾燥地域の地下水源をマッピングすることで、モディ首相が強力に推進する"Har Ghar Nal Se Ja"計画(注、下記参照)を補完し、地下水の飲料利用が促進される」とし、「政府は庶民の生活改善のため、新興分野とその応用に重点を置いて科学技術を推進している」と述べた。
(注)Har Ghar Nal Se Jal:2024年までに全ての農村世帯に飲料水接続を提供するプログラム。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部