2021年10月
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「科学技術75年の進歩-独立後の目覚ましい旅路」インドで特別号発刊

インド科学技術省(MoST)傘下のCSIR(科学・産業研究評議会)内部機関である国立科学コミュニケーション・情報資源機関(National Institute of Science Communication and Information Resources:NISCAIR)は、インド独立75周年(8月15日)を記念して、科学技術月刊誌 Science Reporter(サイエンス・レポーター)の2021年8月号で、「インド科学技術、75年の進歩-独立後の目覚ましい旅路」(75 Years of S&T Progress - Independent India's Remarkable Journey)と題した特別号を発行した。

サイエンス・レポーター特別号表紙

特集号の冒頭で、同誌編集長は次のように述べている。

「インドは宇宙船を打上げ、国産長距離ミサイルが数キロメートル先の標的にピンポイントで命中する時代になった。それらは、独立後わずか70年の間の科学技術の大成功の象徴となっている。しかし、それら以外にも、インドが成し遂げた科学技術の成功は多くある。

そこで、インド独立75周年を記念して、過去70年間のインドの科学コミュニティや科学機関の業績のほんの一部を紹介するため、インド政府の1年間のプログラムAzadi ka Amrit Mahotsav(※)が開始されるのを機にこの特集が企画された。

独立当時のインドは、経済が崩壊し、科学技術を発展させるための価値あるインフラもなく、健全な産業基盤もなく、農業生産高は極めて低く、医療サービスもほとんど存在しておらず、輸入食料穀物で国民を養っており、飢饉は慢性的だった。それはまさに、『船から口へ』という生活だったのだ。

独立後、インドの科学者たちは革新的な技術を開発し、独創的なプロセスを考案し、産業界のために、また他方では農村や僻地のために、様々な実用的な課題解決策を考案した。こうした多くの成功談を聞くたびにインド国民の胸が膨らむ。

例えば、水牛ミルクの粉ミルク食品は多国籍企業には作れなかったが、インドの科学者たちは脂肪分の多い水牛のミルクをスプレーで乾燥させ、それを粉ミルク食品に変えた。同様に、研究や気象観測のために最高級スーパーコンピュータの使用を拒否されたインドは、独自でスーパーコンピュータを開発し、わずかな費用で世界最高のコンピュータと競争できるようになった。インドの宇宙計画は世界のトップレベルに入るほどの輝かしい成功を収めている。

今回の特集号は、インドの科学技術での成功や成果を網羅的に説明するものではなく、独立後の無数の科学技術の発展の一端を垣間見ることができる」

(※)Azadi Ka Amrit Mahotsav「自由のネクター(神酒・美酒)祭」: 独立後75年の進歩と、その人々、文化、業績の輝かしい歴史を祝い記念するためのインド政府のプログラムで、2021年3月12日に始まり、独立75周年までの75週間をカウントダウンし、独立記念日の2023年8月15日に終了する。

この特集号は、今年7月に着任した科学技術大臣のジテンドラ・シン(Dr Jitendra Singh)博士のメッセージで始まり、それぞれの分野・部局の責任者と実務担当者が共同・分担して執筆した合計11の特別寄稿(Special Contributions、下記参照)を含む82ページともなる充実した内容となっている。これは、第2次世界大戦終戦後の1947年に独立した近代インドにおける主要科学技術分野の発展の過程・歴史を知り、かつ、インド科学技術の将来を占う上で貴重な参考資料となると考えられる。

11の特別寄稿(Special Contributions)

  1. 1. インドの科学の発展に貢献し、最近他界したリーダーたち
  2. 2. 科学技術の75年の発展を祝して-DSTの最近の主な貢献
  3. 3. 観測ロケットから打上げ機まで-宇宙部門の成果
  4. 4. 75年間で公衆衛生システムの流れを変えたインド医学研究評議会(Indian Council of Medical Research: ICMR)の役割
  5. 5. インド独立75周年とCSIRの80周年
  6. 6. 原子力エネルギー省-自立したインド(Aatma Nirbhar Bharat)の誇り高きシンボル
  7. 7. 地球科学省 気象対応・気候変動に強いインドを目指して
  8. 8. 防衛技術力向上の旅路
  9. 9. インド農業-物乞い茶碗からの持続可能な食料安全保障への旅路
  10. 10. DBTによるバイオテクノロジー研究と応用・活用エコシステムの構築
  11. 11. インドのSTIエコシステムを強化するための改革とアクションポイント

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部