インド科学技術庁(DST)は、全国研究開発調査結果をまとめた最新の「研究開発機関総覧2021」(Directory of R&D Institutions, 2021)を2021年3月に発刊した。
研究開発機関総覧2021の表紙
DSTは、国内の様々な研究機関/産業・企業による研究開発(R&D)活動に投入される資源(資金・人材)に関する信頼性の高いデータベース作成を担っており、傘下の「国家科学技術マネジメント情報システム」(National Science and Technology Management Information System: NSTMIS)が、国内の研究開発機関に関するデータの更新に継続的に取り組んでいる。
シリーズ12作目となる今回の総覧(ディレクトリ)では、7,888の研究開発機関の住所が、分野ごとにアルファベット順に記載されており、電話、携帯電話、電子メール、ウェブサイトのアドレスなども含まれている。また、138の大学と国家重要機関(Institute of National Importance)、6つの農業大学、科学産業研究庁(DSIR)に登録された241の企業、研究開発活動を行う921の企業が追加され、範囲と対象が拡大された。
この総覧は、インド国内を中心に、政策立案、計画、科学、行政、産業、教育、研究に携わる専門家や、国内の科学技術分野で活躍するその他の関係者に広く利用されており、インドの科学技術開発を研究する日本の研究者にとっても、たいへん有用であると考えられる。
この総覧で使用される「R&D機関」という用語は、国立研究所、研究機関、研究所、民間・公共部門の社内R&Dユニット、非営利の科学産業研究機関(Scientific and Industrial Research Organisation: SIRO)、または、学術機関を指している。
この総覧はPart-I/II/IIIの3パートに分かれており、Part-Iには、すべての研究開発組織・機関に関する情報が分野別に整理され、以下のように掲載されている。
これらの機関は、次の3つのグループに大別される。
注:主要科学技術機関の分類は、次の2つの基準に基づいている。
中央政府の省庁・機関のうち、主要科学機関に属する機関は以下の通り。
州の分野では、まず州を、次に州内の研究開発機関は、農業大学、研究所、州政府の研究開発機関の順に掲載。州の公共部門は、「州の公共部門」というタイトルで個別に表示。
中央大学、州立大学、みなし大学(Deemed to be University)、私立大学、国家重要機関を有する教育機関からなる高等教育部門は、「高等教育部門」として記載。すべての州立農業大学は、州政府のリストに含まれる。
科技省傘下の科学産業研究庁(DSIR)によって認定された科学産業研究機関(SIRO)は、SIROのタイトルで記載。
DSIRが認定した民間企業の社内研究開発ユニットは、「民間企業」というタイトルで、続いて、研究開発を行っているがDSIRに登録されていない企業が続く。このような産業の詳細は、インド経済中央モニタリング(Central Monitoring of Indian Economy : CMIE)のデータベースから引用。また、DSIRに登録されている研究開発活動を行う可能性のある産業も含まれる。
本総覧 Part-IIでは、各州に設置されている研究開発機関を、州ごと、州内、セクターごと、さらにセクター内で記録された番号とともに紹介。
Part-Iに掲載されている研究開発機関の名称とそれぞれの記録番号は、総覧のPart-IIIに記載。