2021年10月
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自家製マスク、3層以上なら代用可能 インドで研究

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックでは、自家製のフェイスマスクの使用は、市販の外科用マスクまたはN95マスクの可能な代替品として推奨されてきた。

その自家製マスクの効果についてインド理科大学院(IISc)が研究結果を発表した。9月20日付。IIScの研究者は、地元で調達され、特に、人々が毎日使うために便利ないろいろな布地(ストール、ハンカチ、綿タオル、サージカルマスク)にさまざまな速度(軽度から重度の咳に対応)で衝突する大型の咳の飛沫の代用物がどのようになるかについて詳細な研究を実施した。

その結果、細孔径と多孔性の個々の効果を組み合わせることにより、ある単一量が形成されることが分かり、液体の浸透と布地の特性との相関関係について、より良い洞察が得られた。

IISc のマスクの実験(IIScのサイトから)

この発見に基づいて、研究者は、人々がN95またはサージカルマスクを使用できない場合、顔の覆いとして綿タオル(エアロゾル化を大幅に抑えるため、少なくとも3層以上)を使用することを推奨している。また、マスクの洗浄が有効性に与える影響も分析し、洗浄の影響は70回の洗浄まで無視できることを示している。

この研究は、サプタルシ・バス(Saptarshi Basu)教授(機械工学科)とディプシカ・チャクラヴォルティ(Dipshikha Chakravortty)教授(微生物学・細胞生物学科)の研究グループによって実施された。

もうひとつ、IISc では、「非接触眼圧測定での角膜涙液膜からの液滴生成メカニズムと流体力学の研究」が発表された。バス教授のグループと、ナラヤン・ネスララヤ財団(Narayana Nethralaya Foundation)の研究者が協力して実施した。

この研究では、緑内障の検出に日常的に使用される非接触眼圧測定(エアパフを含む)と呼ばれる眼の処置中に、これまで解明されていなかった角膜涙液膜からの液滴生成メカニズムの完全な流体力学の解釈が提供された。

人間の目の涙液膜の破裂から生成された液滴は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のようなウイルスを運ぶ可能性があり、エアロゾルや媒介物を通して気付かれずに広がる可能性もある。

研究者は、このような手順で放出される液滴のサイズスケール(0.1~3ミリ)と速度範囲(0.1~ 5メートル /秒)についても解説しており、眼科医が適切なプロトコルに従うことで、より安全に施術を実行するために役立つと期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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