2021年11月
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植物を活用した空気清浄機「UbreatheLife」開発 インド工科大学

インド工科大学ローパル校(IIT Ropar)は、デリー大学等と協力して、病院、学校、オフィス、住宅等の屋内空間の空気浄化プロセスを増幅する植物ベースの空気清浄機「UbreatheLife」を開発した。9月1日に発表した。

この空気清浄機に搭載された技術は、ローパル校のスタートアップ企業であるUrbanAir Laboratoryが開発した世界初の最先端「スマートバイオフィルター」だ。この技術は、空気を浄化する植物の葉を活用する。室内の空気が葉と相互作用し、汚染物質は植物の根で浄化される。この製品で使用している新しい技術は植物が空気の汚染物質を効果的に除去するもので特許出願中である。

ローパル校のラジブ・アユジャ学長(左から3人目)らメンバー(写真提供:インド科学技術省)

具体的には特定の植物、UV(紫外線)消毒、プレフィルター、チャコールフィルター等を組み合わせ、屋内空間の酸素レベルを高めながら、粒子やガス状態の汚染物質を除去することで、室内の空気を効果的に改善するものである。また、特別設計された木製の箱に取り付けられたフィルターやファンにより浄化装置内に吸引圧力を発生させて、浄化された空気を出口から360度方向に放出する。いくつかの植物によるテストでは室内空気の浄化に良い結果をもたらした。

世界保健機関(WHO)の報告によると、屋内の空気は屋外の空気の5倍汚染されており、現在の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時における懸念事項であり、「UbreatheLife」は、この懸念に対する解決策になる可能性がある。研究ではCOVID-19に対して、ワクチン接種だけでは不十分であり、空気浄化や屋内換気が建物の設計の一部に含まれない限り、職場、学校、家の安全を保証しない可能性があることを示唆している。

ローパル校のラジブ・アユジャ(Rajeev Ahuja)学長は、「UbreatheLife」を使用したテストでは部屋のAQI(大気汚染度指数)の数値が改善したと発表し、世界で初めての生きている植物ベースの空気清浄機であると述べた。

また、「Ubreathe」のCEOであるサンジェイ・マユラ(Sanjay Maurya)氏は、この製品は部屋に小さな森を持つようなものであり、心理的幸福のサポートなどの利点があると主張している。製品には貯水機能が組み込まれているため、消費者は定期的に植物に水をやる必要がなく、装置が植物に水を供給する。アユジャ学長は製品を大量に生産して販売できることを保証した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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