インド政府のK・ビジェイ・ラガバン(K Vijay Raghavan)首席科学顧問(principal Scientific Adviser)は、科学、規制、研究における大学の機能や、産学連携を容易にする改革を呼びかけ、大学の研究室のエコシステムと産業界のラボのエコシステムを接続して、より大きなエコシステムとするための改革の必要性を強調した。
同顧問は、インドの人口、研究所のネットワーク、および国が実施している研究ファンダメンタルズの単純化が、同じような位置にいる諸国と比較してインドの成長に役立つとの確信を示し、「産業界は世界的に競争力のあるハイエンドの研究をしたいという強い願望がある。産業界には資本は不足していないが、リスク資本は不足している」と述べた。
また、DBT(バイオテクノロジー庁)のレヌ・スワラプ(Renu Swarup)長官は、インドでは学界、産業界、新興企業の間の境界が緩やかになっているとし、「今後、インドは世界の薬局になるだけでなく、世界の研究所になっていく」と述べた。
同長官は新しい知的財産と新しい革新的な研究を奨励し、学界と新興企業のより大きな協力を促進することを目的とした、戦略的な研究パートナーシッププラットフォームの創設を提唱した。そのうえで、インドが2025年までに1,500億ドルの市場になるように導くバイオ戦略文書が整備されているとし、「我々の焦点は持続可能性とともに成長を達成する点でなければならない」と付け加えた。
また、「インドのライフサイエンスを世界の舞台に引き上げる-「Makein India」というタイトルの報告書が発表された。この中で、インドのバイオ市場を現在の5億5000万ドルから50〜60億ドルの市場に成長させ、ワクチン製造についても現在の20億ドルから40〜50億ドルに加速するために必要な対策が示された。
インドの大手バイオ企業であるBiocon社の創業者であるキラン・マズムダール・シャー(Kiran Mazumdar Shaw)博士は、真に垂直に統合されたバイオテクノロジーセクターの構築を求めた。
また、Bharat Biotech International社のクリシュナ・エラ(Krishna Ella)会長は、全国の臨床試験センターの必要性と、世界中の国々、特に東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカとのパートナーシップを構築する必要性を強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部