2021年11月
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インドのAI市場 2025までに現在の2・5倍、78億ドル規模に

インド電子情報技術局(MeitY)は10月31日、インドの人工知能(AI)市場が2025までに78億米ドル規模に成長するという報告を公表した。

IT専門の調査会社IDCが発行したインドのAI市場に関する調査レポートによると、2020年のインドのAI市場は31億ドル規模だったのに対し、2025年までに78億ドルまで拡大すると予測した(年平均成長率20.2%)。また、AI市場のなかではAIサービス分野が成長をリードし(年平均成長率35.8%)、AIソフトウェア分野は2020年の28億ドルから2025年には64億ドルに成長するとみている(年平均成長率18.1%)。

AIはオンラインショッピングのお勧めアイテムやNetflixのお勧め映画など、世界的に生活の一部となっている。インドでは近年までAI技術は主要産業と考えられていなかったが、ここ数年の技術投資やインターネットの普及、デジタルインフラストラクチャの整備などにより、インドの企業はAIやマシンラーニング(ML)、クラウド、データ分析などの革新技術に前向きになっている。また連邦政府や州政府も、会話型のAIソリューションや不正検知など、AIの多様な用途に向けて投資を進めている。

このAI志向への転換の背景として、昨年来のパンデミックがインドのデジタル化を後押ししているのも確かである。IDCが今年行ったアンケート調査によると、組織の80%が顧客サービスや雇用などビジネスの各分野にわたってすでにAIに投資しているか、投資する予定だと回答した。また、AIへの転換は多様な業界にまたがり、金融業界は営業効率向上や顧客サービス、製造業では整備予測やリスク削減というように、各業界が事業形態にあったAIの導入を進めている。

AIの問題点は失敗率の高さであり、IDCが調査した企業のうち3分の1が、開始したAIプロジェクトのうち30~40%が失敗したと回答し、28%の企業がAIプロジェクトのうち10%が失敗したと回答した。失敗の理由は既存のビジネスに対するネガティブな影響やフォローアップの欠如であった。またAIの導入にあたっては信頼と倫理も問題となる。こうした問題に取り組むため、MeitYはAIの導入に向けて4つのコミッティーからなる政策フレームワークを策定している。

2024年までには、インドの知識労働者の40%以上がAI機能を備えたロボットアシスタントをデータの収集や繰り返し作業の自動化などに日常的に使うと予想されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部