インドのシリ・アシュウィニ・ヴァイシュナー(Shri Ashwini Vaishnaw)情報技術相は11月29日、官立学校の学生が参加した人工知能(AI)AI教育プロジェクトの成果を称賛した。
インドは現在、独立75周年の祝賀期間にあり、11月29日から12月5日までの1週間は、そのうちの「デジタル祝賀週 間」にあった。この祝賀にちなみ、公立学校を対象とした「若者のための責任あるAI(Responsible AI for Youth)」コンテストが開催され、最終選考に残った学生に賞が授与された。
このコンテストは、インド情報技術省とインテル社が共同で2020年に設立したAI教育プログラムの一環。このプログラムにより、若者は新時代に即した心構えや技術を身に付けられるほか、将来のデジタル社会に対応するための学習ツールにもアクセスできる。
このプログラムは3段階で構成。第1段階では35州5,724市町の官立学校の学生が対象となり、それらの学校に在籍する52,000人以上の学生のうち、11,466人がAIトレーニングを終了した。
第2段階では、学生から出されたAIを使ったアイデアのうち100プロジェクトが選出された。この100プロジェクトには、25の州および連邦直轄領から125人の学生が参加。この学生たちは、AIの基本コンセプトやプログラミング言語、データベース構成などを学び、プロジェクトの発表は英語とヒンディー語で行われた。
第3段階では、100プロジェクトのうち60プロジェクトが招待され、バーチャルでのデモと評価が行われた後、最終的に27人の学生による20プロジェクトの受賞が決定した。選ばれたプロジェクトはAIを使った廃棄物の分類、医療診断、農作物の収穫の最善化、コンピュータービジョンに基づいた脳性小児まひの診断など多岐にわたった。
注目を集めたのが、ウッタラーカンド州の学生による、Medicinal leaf(薬効のある葉)というモバイルアプリ。薬効のある草やハーブの詳しい情報をひとつの画像から得られるというもので、遠隔地に住む人たちが身近にある樹木や草の薬効を知り、活用できる。
授賞式に参加したインド政府ウェブサイトMyGovの代表シリ・アビシェック・シン(Shri Abhishek Singh)氏は、「この最終選考に残った学生たちはインドの未来であり、彼らが次世代の伝説となり 、グローバル企業のCEOになる人。このプログラムで彼らのような学生に力を与えることが、インドのITやAIの力を世界に示すことになる」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部