インド工科大学マドラス校 (IIT-M) は2月10日、学内の研究チームがバイオマスからガス燃料を開発生産するための人工知能(AI)ツールを開発したと発表した。この技術はガスプラントや関連する技術開発に携わる研究者の研究効率を上げることが期待される。
研究チームは、バイオマスから転換する際に起こる反応を研究するため、機械学習モデルである再帰型ニューラルネットワーク(RNN)モデルを開発した。このモデルを使用することで、研究者はバイオ燃料の生産のためのプロセスや生産設備を検討することが可能となる。
研究チームの一人で化学工学科に所属するヒマンシュ・ゴヤル(Himanshu Goyal)教授は「実験室で仕事をする研究者は、この機械学習モデルを使用することで、プロセスの開発にかかる時間を節約できると期待される。この技術を使えば、不要となったバイオマスから燃料などの有用物質を得るための最適で経済的な方法を開発することができる」と語った。
バイオマス燃料の開発に携わる研究者は、すでに非常に正確で詳細なモデルが利用できると考えている。ただ、それらの多くのモデルは、コンピューターを長時間稼働させなければならないため、コストがかかっている。機械学習モデルを利用したAIツールは、こうした研究プロセスの負担を軽減させる。
ゴヤル教授は「私たちが行ったことは、RNN技術を用いて非常に詳細な計算モデルを動かし、研究者が求めるデータを得ることができるようにしたことだ。これは研究開発の現場で行われている試行錯誤のプロセスを軽減させることになる」と話した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部