インドのスリー・ホイールズ・ユナイテッド(TWU)社は、三輪タクシーのための持続可能な環境作りを目的として、当初はNGOとして設立された。従来のエンジンから環境にやさしい電動三輪車に切り替えるためには、融資が業界の主な課題である。創業者の一人で現CEOのセドリック・タンドン(Cedrick Tandong)氏はタクシー・ドライバーらを支援するために、TWU社はテクノロジーに特化したファイナンス企業へと移行させた。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが2月21日付で伝えた。
2020年時点でインドでは、600万台以上の三輪タクシーが稼働し、毎年2,100万トンの二酸化炭素(CO2)を排出している。電動三輪車は所有費用が安く、収益性が高いため魅力的だが、それでも従来の利用可能な資金調達方法はタクシー・ドライバーにとって、高い頭金と金利がネックになっている。
そこでTWU社はマイクロソフトリサーチと提携して、プラヤナというプラットフォームを構築した。その基本原理は、自動化ではなく、前後関係の情報を提供することでデータを活用し、全てのステークホルダーの意思決定をサポートすることである。借り手から収集した本人確認・行動・運転経験データが、借り手が最大限の収入を得るために最適な商品を紹介するために利用される。これにより期限内に返済が行われ、企業のポートフォリオパフォーマンスの向上につながる。
TWU社はこれまでに、5万人以上のドライバーらと取り組んで、4千台以上の三輪タクシーに融資を行ってきた。その結果、172,000トン以上のCO2排出を削減し、ドライバーらに7,100万ドルの収入増加をもたらしたという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部