2022年03月
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AIで安価で安全な飲料水供給のスタートアップ設立 インド科学技術相が発表

革新的な技術による水の浄化について、インド工科大学(IIT)の卒業生らが人工知能(AI)を主体としたスタートアップを立ち上げ、市場価格よりはるかに安い価格で安全な飲料水を提供することを目指す。2022年1月11日付発表。

インドのジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相は、革新的な技術による水の浄化についてIIT卒業生らがAI主導のスタートアップを立ち上げたと発表した。同相は、AI主導のイニシアチブは他のスタートアップでも行われると述べた。

インド科学技術庁(DST)の技術開発委員会(TDB)と、IITの卒業生らによって設立されたスタートアップ企業であるSwajal Water Private Limitedとの間で了解覚書(MoU)が締結された。Swajal社は、スラムや農村向けのIoT(モノのインターネット)ソーラー浄水ユニットのプロジェクトにより安全な飲料水を手頃な価格でコミュニティに提供する革新的な技術に焦点を当てている。

同相はSwajal社に対して、モディ首相が掲げる「2024年までにすべての人にきれいな飲料水を提供する」というインドの目標を達成するために、この技術をスケールアップするよう要請した。

デリー郊外のグルガオンを拠点とする同社の特許取得済みシステムである「Clairvoyant」は、AIを使用して浄化システムを最適化し、将来の故障を予測することで、各システムをリアルタイムでリモート管理、更新、修復できる。また、IoT技術と太陽エネルギーを組み合わせてきれいな飲料水を提供するソリューションを開発した。水は川、井戸、池、地下水から太陽エネルギーによって汲み上げられ、適切な技術で処理されて飲用水となる。この技術により水の精製コストも削減される。

DST長官でTDB議長であるスリバリ・チャンドラセカール(Srivari Chandrashekhar)博士は、このプロジェクトについてIOT、AI、再生可能太陽エネルギーの新技術の組み合わせで、村や遠隔地の飲料水の需要に応えることができると表明した。

Swajal社のCEOのビブハ・トリパテイ(Vibha Tripathi)博士は、TDBからの財政支援があれば当社のような新興企業でも社会的影響力のある事業が可能であると語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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