2022年05月
トップ  > インド科学技術ニュース> 2022年05月

環境に優しい感光性触媒を合成...温室効果ガス排出せずプラスチックを分解 インド工科大学マンディ校

インド工科大学マンディ校(IIT Mandi)の研究者らは、温室効果ガスを発生させずにプラスチックを有用な化学物質に変換できる触媒の合成に成功した。人工の可視光線のもと、プラスチックから水素を発生させることができる。科学誌 nature india が4月10日に伝えた。研究成果は学術誌 Journal of Environmental Chemical Engineering に掲載された。

プレム・フェリックス・シリル教授(Prem Felix Siril)が率いる研究グループは、プラスチックを水素ガスやギ酸などの有用な化学物質に変換するのに使用できる感光性触媒を合成した。

触媒の合成には、塩化第二鉄を酸化剤として使った。ピロールを重合して触媒を調製し、この触媒がポリピロールと酸化鉄ナノ粒子のナノ複合体で、半導体-半導体ヘテロ接合を形成していると発見した。このような構造は、強い可視光誘起の触媒活性を示す。この触媒の効率を、一般的な染料であるメチルオレンジに対して可視光照射下でテストすると、色素をオレンジ色から無色へと分解した。

次に研究者らは、この触媒を使って、食品包装や繊維、医療品、化粧品などに広く使われているプラスチックであるポリ乳酸(PLA)の分解を行った。この触媒は、可視光でポリ乳酸(PLA)を分解し、水素を発生させることができた。

研究者らは、この触媒は、将来の無公害燃料を生み出す環境に優しい方法を提供するものであるとしている。活性に大きな変化がなく、5回まで再利用が可能である。また可視光を利用して、食品廃棄物やバイオマス、さらには水中の汚染物質を分解することも可能だという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る