2022年07月
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救急車警報・逆走ドライバー警報システム...V2X通信技術研究で成果...スズキとIITハイデラバード

インド工科大学ハイデラバード校(IITH)は5月11日、業界初の取り組みとして、スズキ自動車(SMC)、マルチスズキ(MSIL)およびIITHによる、未来のV2X(Vehicle-to-Everything)通信技術に関する共同研究の成果を発表した。

V2X通信技術とは、適切な道路インフラ、交通ルール、ドライバー教育などと組み合わせて使用することで、交通事故や道路混雑を削減しようとする技術である。

当日のデモンストレーションは、インドの交通事情に合わせた状況での実験段階のアプリケーションを紹介するもので、5台の実験用プロトタイプ車両がIITHキャンパスに展示された。これらの使用シナリオのデモは、インド政府電気通信規制庁、電気通信庁及びテランガナ州政府の関係者に対して説明された。

当日紹介された使用シナリオは次のとおり。

  • 救急車警報システム:一般ドライバーに対して、V2X通信を介して緊急車両の接近とその経路について警報を発するもので、ドライバーが安全運転を考慮して緊急車両に道を譲るのに役立つもの。警報システムは、車両間の距離などの詳細もリアルタイムで共有可能。
  • 逆走ドライバー警報システム:接近中の逆走ドライバーの存在に関する警告を一般のドライバーに発信するもの。
  • 歩行者警報システム:車の走行妨害になる可能性のある近くの歩行者についてドライバーに警告するもので、潜在的な衝突を回避するための予防措置として役立つもの。
  • オートバイ警報システム:死角から接近し衝突する可能性のある高速移動中のオートバイを発見し、アプローチの距離と方向に関するリアルタイムの情報を知らせるもの。
  • 道路状況アラートシステム:危険性の高い道路箇所・状況を発信し、ドライバーに事前に慎重な運転を呼び掛けるもの。
  • 車載コンピュータ機能・能力の共有:必要に応じて、運転用に使用されていない車載マイクロプロセッサのアイドル能力を他のドライバー間で共有できるようにするもの。

IITHは最近、スズキ自動車との連携拠点として「スズキ・イノベーション・センター(SIC)」を学内に開設しており、ここでは人材交流の場や、将来の共同研究や教育プログラム開発などの可能性を探るとしている。SICには専従職員を置き運営費用の一部をスズキが負担する。また、スズキの技術者を招き、IITHの研究者や学生と交流し情報共有も進めるというもので、日印の産学連携として注目されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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