インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、女子大学院生対象の人工知能(AI)研究フェローシップを設置した。インドのテクノロジー関連のポータルサイト Analytics India Magazine が6月6日に伝えた。
IIT-Mのロバート・ボッシュ・データサイエンスおよびAIセンター(RBCDSAI)は、多分野にまたがるデータサイエンスおよびAI研究を行うことで知られており、ネットワーク分析、深層強化学習、自然言語処理およびディープラーニング分野で最大規模の研究グループを抱える。同センターは2022年3月31日付けで、28歳以下の優秀な女子学部卒業生や大学院生に対し、2年間にわたってデータサイエンスやAIを学ぶことができるこのフェローシップへの募集を始めた。
フェローには講演の聴講や世界中の第一線の研究者との交流機会が提供されるほか、研究成果を著名な学術誌や学会で発表するチャンスも与えられる。またフェローは、女性の技術者や研究者を対象としたイベントに参加し、学界や産業界で活躍する同性のメンターを見つける機会も与えられる。学生は卒業後、データサイエンスやAIのトップ企業に就職したり著名大学で研究を続けたりすると予想される。
IIT-Mのフェローシップは当初、月4万ルピー(約7万円)をフェローに給付する予定だが、応募者の経験と技能に応じて給付額を増額する可能性もある。また、フェローとしてのパフォーマンスが優れている場合、フェローが将来、産業界や学会での仕事に応募する場合に、教授が推薦状を提供する。
RBCDSAIのリーダーであるバララマン・ラヴィンドラン(Balaraman Ravindran)教授は、「フェローはRBCDSAIの教授の指導のもと、独自の研究を行うことが期待されています。複数の研究チームと共同で研究を行い、センターを訪れる多様な人材や関連組織と協力関係を築くことができます」とフェローシップの利点を説明する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部