2022年08月
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チタノザウルスの二重卵の化石を発見―恐竜の化石で初めて インド中部

インドのデリー大学の研究者らがチタノザウルス(Titanosaur)の二重卵の化石を発見した。インドの研究紹介ポータルサイトNature Indiaが6月30日に伝えた。研究成果は学術誌 Scientific Reports に掲載された。

チタノザウルスは白亜紀に生息した草食性の大型恐竜で、地球上の広範な地域で生存していたと考えられている。このチタノザウルスの化石は白亜紀後期のもので、インド中部のマディヤ・プラデーシュ州のダールで発見された。

研究者らが発掘した際、卵の中に別の卵が存在するovum-in-ovoと呼ばれる二重卵が、他の通常の卵とともに見つかり、周囲の石灰岩の表面には卵の断面がちらばっていた。この状態から、発見場所には恐竜の巣があったと考えられる。これまでダール付近では、サメや海洋軟体動物、恐竜の巣、樹木の化石が見つかっている。

鳥類では、逆蠕動(ぎゃくぜんどう=an antiperistalsis movement)によって、小さな卵が大きな卵の中に押し込まれることがある。研究者らは、今回の発見や恐竜の卵管の仕組みから、恐竜が生殖生物学的にカメやトカゲよりも主竜類(ワニや鳥類)に近く、次第に鳥類に似た産卵メカニズムを身に付けたと推測している。鳥類は一度に1個ずつ卵を産卵するが、ワニは一度に複数個の卵を産卵する。

しかし、二重卵は鳥類でも珍しく、研究者らは、個体群の超過密化、病気、食料不足、生息地の不足、急な気候の変化など、チタノザウルスに何らかの外的なストレスがあったのではないか、と推測している。論文の筆頭筆者であるハルシャ・ディマン(Harsha Dhiman)教授は、「これまでに二重卵が恐竜の化石で見つかったことはなく、本当に珍しい発見です」と話している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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