インド工科大学マドラス校(IIT-M)の研究者らは共同で、発光ダイオード (LED)を使用した高感度なU字型光ファイバー携帯用屈折計を開発した。7月26日付け発表。光ファイバー屈折計は、液体サンプルの純度を判定できる分析ツールで、化学分析や食品・医薬品の検査などに利用されている。この研究成果は学術誌 Sensors and Actuators A: Physical に掲載された。
研究グループは製作や設計を容易に行えるよう屈折計をU字型に改良した。U字型の領域を化学的にエッチングしたところ、エッチングされていないプローブと比較して、屈折率変化に対する感度が2倍になった。さらに、濃度の異なる液体試料について試験的に分析を行ったところ、狭い屈折率範囲と広い屈折率範囲の双方で液体濃度を測定することができた。
今後、プラズモニックナノ粒子やグラフェンコーティングを用いることで、これらのプローブの感度をさらに向上できる可能性がある。また、屈折率ベースの化学センシングや生化学センシングへの応用が期待されている。
光センシング&モニタリング・コミュニティ(the Optical Sensing and Monitoring Community)の創設者でもあるインド工科大学ボンベイ校(IIT-B)校のナーマル・パンジャブ(Nirmal Punjabi)教授は「さまざまな種類の光ファイバーセンサーの中でも、U字型マルチモードファイバーを用いたセンサーは、物理計測からバイオセンシングに至るまで、多くのアプリケーションで使用できる可能性を示しています」と研究成果を高く評価した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部