インドのアンベドカール国際センター(Dr. Ambedkar International Center)で開かれた「DST StartUp Utsav」(科学技術庁スタートアップ祭り)の中で、同国のジテンドラ・シン科学技術相が基調講演し、次のような事実を明らかにした。8月12日付け。
インドは、スタートアップ・エコシステムとユニコーン数で世界第 3 位となった。最新データによると、現在、105社 のユニコーン企業があり、そのうち 44 が 2021 年に、19 が 2022 年に誕生した。スタートアップに関しては同国のモディ首相が 2015 年に「StartUp India」政策を発表。今年、独立75周年を迎えたインドには、現在 7万5,000社 ものスタートアップが稼働している。
過去数年間でインドは、研究開発(R&D)の総支出 (GERD) を 3 倍以上に増やした。さらに、新興企業の 49% は大都市ではなく、ティア 2 およびティア 3 の中小都市から生まれたもので、IT、農業、航空、教育、エネルギー、健康、宇宙セクターなど多くの分野にまたがっている。また、インドには 50万人を超えるR&D要員がおり、この数は過去 8 年間で 40~50%も増加し、また同期間で学外研究開発への女性参加も倍増した。さらに、インドは科学と工学 (S&E) 分野での博士号授与数では、米国と中国に次いで世界第3位にランクされた。これらは、2021 年からの10 年間で、インドの科学技術イノベーション (STI) に大きな変革をもたらすであろう。
インドは科学技術に重点を置いており、世界で最も魅力的な技術取引の投資先では第3位にランクされた。また、科学研究の分野では、いまや世界トップレベルの国となり、宇宙探査分野でもトップ5で、量子技術、人工知能(AI)などの新興技術にも積極的に取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)健康危機対策強化センター(Centre for Augmenting WAR with COVID-19 Health Crisis:CAWACH)プログラムにより、インド科学技術庁(DST)はCOVID-19の直撃に記録的な速さで対応した。そして160 のインキュベーターを促進、1,627の女性主導スタートアップを含む1万2,000ものスタートアップを育成し、13万1,648の雇用を生み出したのだ。
グローバル・イノベーション・インデックス (GII) ランキングにおいては、世界130の経済圏中で、インドは2015年の81位から2021年の46位まで上昇した。また、34の低中所得経済圏中では2位、中央および南アジアの10の経済圏の中では1位にランクされた。
「DST StartUp Utsav」で講演する科学技術大臣ジテンドラ・シン博士
「DST StartUp Utsav」の模様
(写真はPIBリリースより)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部