2022年11月
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春に一酸化ヨウ素濃度が上昇すれば、北極のオゾン層の破壊を促進 インド

インド熱帯気象研究所のアヌープ・マハジャン(Anoop Mahajan)博士らの研究チームは、オゾン層の破壊にヨウ素が重要な役割を果たすことを明らかにした。シミュレーションによると、春に一酸化ヨウ素濃度が上昇すると、オゾン破壊が2〜3倍促進されるという。科学誌 nature india が10月3日に伝えた。研究成果は9月15日、学術誌 Nature Geoscience に掲載された。

これまでの南極における調査により、一酸化ヨウ素の濃度が上昇すると大気圏上層の日照時間帯のオゾンが破壊されることが知られていた。今回、国際研究チームは船舶を使用し、北極気候研究のための学際的な漂流観測を開始。2020年3月から10月の日照時間帯にハロゲン酸化物のレベル、粒子状ヨウ素、ヨウ素酸、その他の関連する微量ガスのレベルを測定した。

その結果、2020年3月から5月にかけて、日照時間帯に広い範囲でオゾン層が破壊されていることが判明した。一酸化ヨウ素濃度とオゾンの濃度を調べると、一酸化ヨウ素濃度が最も高い日に、オゾンの濃度が最も低いことがわかった。さらに、オゾンの損失に対するヨウ素の1日の最大寄与率は、臭素の最大寄与率を上回った。

研究者らは本研究成果について「氷床が融解することで北極に大きな不凍領域が生じ、海洋から放出されるヨウ素化合物が増加する。オゾン層破壊は悪化する可能性がある」と話している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部