インド工科大学マドラス校(IITーM)はカーボンゼロチャレンジ(CZC)に取り組んでいる。次回のCZC 2022は、気候変動、公害、生物多様性の損失といった危機によって加速している「資源の枯渇と汚染」に焦点を当てる。
CZC 2022は、インド全体のエコ・イノベーションと起業家精神のコンペティションであり、概念実証やラボ規模のソリューションから実用的なプロトタイプやパイロット版までのイノベーションに資金を提供することで、インドのエコ・イノベーションのラボから市場への移行を促進することを目的としている。
入選したチームは、スタートアップ企業の設立や、アイデアを商品化して市場に出すための資金やメンターによるサポートを受けることができる。さらに、CZC 2022の受賞者は、スタートアップシード付与として10,000ルピーを獲得し、IITMのインキュベーションリソースへのアクセス、エンジェルやVCからの資金提供などIITマドラス校から継続した支援を受けることができる。
アジア開発銀行(ADB)の報告によると、アジアでは2035年までに10億台以上の自動車が普及し、アジアの都市における大気汚染の80%は交通部門に起因すると言われている。インド農業省によると、環境の悪化により、インドでは年間約800億ドルのコストがかかっている。
CZC 2022の主要な対象は以下の通り。
発表イベントで挨拶をしたIITマドラス校のディレクターであるV.カマコティ(V. Kamakoti)教授は、IITマドラス校について、「これまでのCZCやその他の研究活動から得た経験に基づいて、国連の持続可能な開発目標(SDG)に向けて取り組むサステナビリティ学部を設立する予定です。CZC 2022は、私たちの研究、コースカリキュラム、その他の活動が、SDGsやこの先のサステナビリティ学部全体の方向性を満たすための課題解決に向けられるよう、現場の課題や技術の必要性を感じさせてくれます」と話した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部