2022年11月
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人の髪の毛等から有用なタンパク質を回収する技術を開発 インド

インド科学産業研究委員会(CSIR)が所管するグジャラート州の海水化学中央研究所(Central Salt and Marine Chemicals Research Institute) の研究チームは、不用になった人の髪の毛や鶏の羽毛、羊毛から、ケラチンやメラニンといった有用なタンパク質を抽出し、それを利用して、特定の植物の成長を促進させる研究を行った。科学誌 nature india が10月12日に伝えた。研究成果は学術誌 Sustainable Environment Research に掲載された。

ケラチンやメラニンを抽出するために利用する溶媒は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドと水から調製され、土壌微生物に対して無毒である。このため、農業目的に利用できる可能性があると、研究チームは考える。ただ、タンパク質を豊富に含む動物バイオマスは、最終的に汚染物質として水域の環境に影響を与える。

この状況を回避するための手段を見出すために、カマレシュ・プラサード(Kamalesh Prasad)氏が率いる研究グループは、人の髪の毛や鶏の羽毛、羊毛から有用なタンパク質の回収を試みた。この研究では、室温下において人の髪の毛と鶏の羽毛からケラチンとメラニンが回収でき、65℃の条件下において羊毛からケラチンを回収できた。鶏の羽毛からケラチンが最も多く回収され、溶媒の中のケラチンは構造的にも化学的にも安定していた。

研究チームは、タンパク質を回収した溶媒に緑豆を浸して、試験管の中で緑豆が大きく育つことを確かめた。また、溶媒に溶けなかった不溶性の部分についても、土壌微生物との適合性があることを見出した。これらの部分は窒素や有機炭素が含まれており、有機肥料として利用できる可能性が考えられる。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部