インドのソフトウェア・テクノロジー・パーク(STPI)は、プラデーシュ州主催のイベントで、医療業界における人工知能(AI)の現状と展望、成功要因と阻害要因、政策と規制の状況などをまとめたレポートを発表した。レポートの目的は、医療への意識を高め、医療のより良い理解を目指すとともに、AIを活用したイノベーションを推進することである。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが11月16日に伝えた。
このレポートによると、インドの医療は過去10年間、大幅に改善にされ、平均寿命の延伸と疾病負荷の軽減が大きな成果として挙げられた。ただ、高齢化に伴う肥満と糖尿病の増加により、今後、病院内外での医療の必要性が高まると指摘された。
インドにおける健康と医療の問題は、急速に改善されているが、まだ多くの問題が存在する。こうした状況の中、AIとデジタルテクノロジーを駆使して、診断方法、医療スキルと人材確保、医療費などにおける問題を解消しようとしている。
医療分野における世界全体のAI市場は、2022年から2030年にかけて、年率37%で成長し、およそ1880億米ドル規模になると予想される。一方、インドのヘルステック市場は、まだ初期段階ではあるものの、2023年まで年率39%、50億米ドル規模に成長すると期待される。
インドでは、国と地方が医療におけるAIのための新しい取り組みや制度、方針を積極的に考案している。レポートは、Made in IndiaのAIソリューションを国内だけでなく、世界に広めるため、グローバルなフレームワークに沿った形でAIのシステム開発を行うよう推奨している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部