ディープテック新興企業のハブであるインド工科大学マドラス校のインキュベーションセル (IITMIC) は、チェンナイに所在するSSNインキュベーション基金 (SSN iFound) と提携することを発表した。IITMICはこのパートナーシップを通じて、SSN iFoundがものづくり文化を育む環境開発を援助し、有望な起業家にインキュベーション支援を行うとしている。
この提携は、2030年までに1000のインキュベーションを達成するというIITMICの10倍イニシアチブである「インキュベーション加速」とも関連している。インキュベーション加速は、Tier 2、3、4の都市でパートナーとなる機関やインキュベーターが新興企業を特定し、協力し、インキュベーションすることにより、インドの草の根起業家の才能を強化することを目指している。
この方向への第一歩として、IITMICはSSN iFoundを支援して「ビルドクラブ」を設立する。これは学生のみにより運営され、構築され、管理されるクラブであり、学生たちが製品を作り出す文化を生み出すことを目的としている。また、IITMICは、研修、動機付けと体験に関する講演、イベントを実施してSSN iFoundを支援することで刺激を与え、起業家環境を強化する。
IITMICとSSN iFoundは、共同インキュベーション支援候補の新興企業の選択も定期的に行う。支援を受ける企業はすべて、メンターシップ(技術とビジネス)、ネットワーキングと研修、設立資金提供およびエンジェル投資家やベンチャーキャピタルへの紹介、「スタートアップ・エンジン」プラットフォーム、インキュベーション・スペース、さまざまなビジネス支援サービスなど、多くの付加価値サポートを得ることができる。
IITMインキュベーションセルの代表であるアショク・ジュニジュンワラ (Ashok Jhunjhunwala) 教授は「若い起業家は経済発展に積極的に貢献してくれる能力を持つため、インドは彼らを今まで以上に必要としている。私たちは、彼らが『ビルドクラブ』を通じて早い段階で起業家としての好奇心を育み、自分たちで製品を製造する自信を高め、最終的には、彼らが正式に育ったあかつきにはインドの最も差し迫った課題を解決できるよう指導をしたいと考えている」とし、「これは、SSNのような機関と提携することで達成できると信じている。次世代の富の創造者と起業家を共同で育成し、インドの起業家環境を強化できることを楽しみにしている」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部