インド工科大学デリー校(IIT-D)は1月17日、インドのテクノロジー企業であるコンチネンタルインディア(Continental India)社と非営利のスタートアップであるレイズライン財団(RLF)と協力し、視覚障害者が公共バスを利用するためのソリューション「OnBoard」の展開を進めていると明らかにした。
人や物の移動と経済成長には、関連性があると考えられる。しかしながら、障害を持つ人々の移動はいまだに困難であり、彼らの移動の機会は制限されている。今回発表されたOnBoardには、視覚障害者の公共バスの利用を支援する機能があり、彼らの行動範囲をサポートする。OnBoardは、移動やインクルーシブ社会(多様性を認めて共に暮らしていく社会)の象徴と言えるだろう。
OnBoardは、視覚障害者が直面する2つの課題を解決することで、バスの利用をサポートする。1つは、バスのルートを特定できるようにすることであり、もう一つは、車内のスピーカーを活用してドアの位置を特定できるようにすることである。
OnBoardは、次の3つのユニットから構成されている。
IIT-Dが支援してきたOnBoardは、デリーやムンバイの市街地で実施した予備試験を終えた。この一連の試験を通してOnBoardの有効性は確認されたが、社会に実装するにはさらに大規模な試験が必要となる。プロジェクトでは今後、OnBoardを広範囲に展開させて試験することを予定している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部