インドの研究者らは、GPS衛星から受信した信号を用いて豪雨現象の発生予測に成功したことを発表した。科学誌 nature india が2月13日に伝え、研究成果は学術誌 Journal of Earth System Science に掲載された。
インドのコーチン科学技術大学、アーメダバードの宇宙応用センター、ティルヴァナンタプラムのインド気象局、インド地磁気研究所の研究者らは、夏季のモンスーンシーズンにおける大雨現象を早期に発見するために、インド南西部沿岸ケララ州のトリバンドラムでGPSと降雨データを用いた豪雨予測の研究を行った。
大気中の可降水量は大雨の数時間前にピークに達することが知られている。研究者らは、大気中の水蒸気の急激な増加によってGPS信号の受信が遅れる現象を利用することで、どんな豪雨でも6時間ほど前に検出できることを発見した。
研究者らは「この発見の統計的有意性を証明するためには、さらに多くの観測が必要です。インドにおけるGPS気象学の天気予報への応用はまだ初期段階にあります。政策立案者や観測者がより良い監視システムを設計するために、今後GPS技術の幅広い利用が促進されることを期待しています」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部