米国のシンクタンク「カーネギー国際平和基金(Carnegie Endowment for International Peace)」のインド支部Carnegie Indiaは2月27日、1月31日に第1回会合が開催された「重要技術・新興技術に関するインド・米国イニシアティブ(initiative on Critical and Emerging Technology: iCET)」の解釈に関する以下のような見解を公表した。
インドと米国の間ではより密接な関係構築に向けた機運が高まっており、iCETを機に、両国の政府、民間部門、研究機関、学術機関がパートナーシップに向けた新たな局面に入ったことは明確である。一方で、iCETとは実際のところ何なのかについては謎が残っている。
多くのジャーナリストらは「協定(deal)は何か」を重要な問題と考えている。また、2008年の印米原子力協定を経験した両国の政府関係者は、同協定と比較するとiCETは重要性が低そうにみえると話している。しかし、iCETは1件の協定の締結を目的としたものではない。少なくとも8~10の異なる協力への道筋(streams)を含んでおり、さまざまな重要・新興技術に関する両国の協力の枠組みとして機能するものである。よって、原子力協定とは全く異なる。
防衛関係者らの間では、iCETは2012年に発足した「米印防衛技術・貿易イニシアティブ(Defense Technology and Trade Initiative: DTTI)」の最新版であるとの認識が広がっているが、iCETはDTTIのように防衛上の協力のみを目的としたイニシアティブではなく、より包括的な枠組みである。しかし、両国の防衛関係スタートアップ・中小零細企業(MSME)の協力の推進など、DTTIを基盤としたより柔軟な取り組みを可能にする。
iCETは単一の成果を求めるものではなく、技術によりもたらされるさまざまな結果の提供を約束する、多数の領域にまたがる取り組みである。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部