インドのライフガード組織であるドリシュティ・マリン(Drishti Marine)は、ゴアのビーチの救命機能を強化するため、人工知能(AI)ベースの自動運転ロボット・オーラス(Aurus)とAI監視システム・トライトン(Triton)を導入した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが3月7日付で伝えた。
AIの導入は、国内外の観光客の増加に伴い急増しているビーチでのトラブルに対応することが狙い。関係者によると、ゴアの海岸線では過去2年間の救助件数が1000件以上発生しており、ライフガードの支援が必要とされている。
自動運転ロボット・オーラスは、広大な遊泳禁止区域をパトロールし、ビーチを訪れる観光客に満潮を知らせることでライフセーバーを支援する。この自動運転ロボットには、ビーチでの監視と群衆管理を強化する新しい機能がある。
AI監視システム・トライトンは、遊泳禁止区域の監視を行い、危険な行動をする観光客に必要な注意を促すとともに、最寄りのライフセーバーに通報する。
現在、北ゴアのミラマー・ビーチに自動運転ロボット・オーラスが配備され、南ゴアのバイナ、ベラーソ、べナウリム、ガルギバグと北ゴアのモルジムにAI監視システム・トライトンが配備されている。ゴアのビーチには今年、10台のオーラスと100台のトライトンが配備される。
調査によると、ゴアのビーチでは毎年200人が死亡しており、事故は、バガ、カラングート、アランボル、シンカレム、モルジムなどの人気ビーチで起こっている。ただ、死亡事故を減らすための効果的な対策は行われていない。
ビーチでは、これまで清掃を行うロボットが使われてきたが、水難救助を行うロボットも現在働いている。世界保健機関(WHO)の統計データによると、溺死は故意ではない死亡事故としては3番目に多く、全ての死亡事故の7%を占めるという。溺死事故を減らすためのロボットの活用は今回が初めてではない。水難事故に役立つロボット救命ブイのデモンストレーションが昨年、ヴィシャカパットナムで行われたとの報告がある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部