2023年09月
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インド東部パトナ市に降り注ぐマイクロプラスチック

インド工科大学パトナ校(IIT-Patna)の研究者らがインド東部のパトナ市の雨水を採取し、その中にポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなど9種類のマイクロプラスチックが含まれていることを発見した。科学誌nature indiaが7月26日に報告した。研究成果は学術誌Journal of Hazardous Materialsに掲載された。

マイクロプラスチックを含んだ空気を吸い込んだり摂取したりすると、人の健康に害を及ぼす可能性がある。プラスチック粒子はそのままの状態(乾性降下物)または、雨(湿性降下物)などを通して陸地や水域に堆積する。これまでの研究では、アジア、ヨーロッパ、北米の17カ所で空気中のマイクロプラスチックが報告されている。

IIT-Patnaの研究者たちは、6月中旬から10月中旬までの雨が降った63日間、人口密度が高く、大気汚染レベルも高いパトナの都市部と都市周辺部の2カ所から湿性降下物のサンプルを採取し、分析した。マイクロプラスチックは、その形状と大きさに基づいて特徴づけられ、フーリエ変換赤外分光計(FTIR)を用いて化学的に同定された。このデータを、中央公害管理委員会から得た降雨強度、相対湿度、風速、風向に関する気象データと関連付けた。

その結果、マイクロプラスチックの発生源は、局所的なものと遠方からのものがあることが示唆された。都市部では、車両の移動、建築工事、プラスチック廃棄物の不始末が、大気中のマイクロプラスチックのレベルを上げる原因となっている可能性が高いことが示された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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