インド工科大学マドラス校(IIT-M)傘下の交通安全エクセレンスセンター(CoERS)が、インドのグレーター・チェンナイ交通警察(GCTP)を対象に「根本原因分析マトリックス(RCAM)を用いた構造化された事故調査に関する研修」プログラムを実施することが分かった。9月7日付け発表。
このプログラムでは、捜査官(IO)にデザイン思考スキルを習得させ、事故の根本原因を特定する際にヒューマン・ファクターや共感に基づくアプローチを採用することを目指している。ワークショップは2部構成で、3日間の実習後、現場で各IOが学びを実証し、2週間後にその結果を発表する。ワークショップの目的は、交通警察のIOに、現場でのデータ収集、照合、分析に必要な実践的スキルを、構造化された形式で身につけさせることだ。
このプログラムの必要性について、GCTPの特別警察本部長(交通担当)であるティル・R・スダカー(Thiru R Sudhakar)氏は、「交通事故を捜査する際、私たちは人間的な側面を見逃してしまうことがあります。捜査手法のアプローチを変えることで、より良い解決率を達成し、ひいては将来の事故を未然に防ぐためのより有意義な介入策を打ち出すのに役立つことを期待しています」と語った。
ワークショップの内容例は以下のとおり。
このプログラムについて、IIT-M CoERSおよびRBGラボの責任者であるヴェンカテッシュ・バラスブラマニアン(Venkatesh Balasubramanian)教授は、「構造化された分析に従うことで、データ主導の介入策を策定し、活動の繰り返しや重複を防ぐことができます」と述べ、「今回のプログラム実施にあたり、CoERSは『人間、機械(車両)、方法(運転)、環境(3M&E)』モデルに基づくRCAMと呼ばれる構造化フレームワークを開発しました。これは、根本原因に到達するための人間中心のモデルです。事故調査の際、人間的な要素が忘れ去られることがよくありますが、このコースを通じて、捜査官がより共感できるような意識改革を起こそうとしています」と話した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部